2020.7.21一日一季語 土用(どよう) 【夏―時候―晩夏】
土用太郎天地返しの味噌匂ふ 田中つや子
お味噌は杉の樽に詰めて、その発酵の度合いに応じて、天地をひっくりかえす作業をするという。
天地返し、もしくは切り返しといいますが、味噌を発酵させる段階で味噌桶の下の方が空気に触れずに、上の方がたくさんの酸素を吸います。
これで上と下の発酵むらが出来るのを避けるために、梅雨の時期にカビ防止も含めて手入れをすることのようです。
松本の石井味噌という味噌蔵の見学をしたことがあります。
仕込みには大豆・糀・塩を混合し、ここ「仕込み蔵」の杉桶に仕込み熟成させます。
トンボが舞う季節になると「天地返し」が行われます。天地返しは味噌の外側と中心や上下で熟成にムラが出てしまうので、全体を均一に熟成させるためや、乳酸菌や酵母に酸素を送る等の効果があります。そして寒の入りの季節になると、二年蔵へ味噌は移されます。(石井味噌のホーム委ページ引用)
近年の、工場生産では、ステンレスなどの容器なので、この作業を行っていないそうです。
【傍題季語】
土用入(どよういり) 土用太郎(どようたろう《どようたらう》) 土用次郎(どようじろう《どようじらう》) 土用三郎(どようさぶろう《どようさぶらう》) 土用明(どようあけ)
関連季語
→ 土用鰻
【季語の説明】
「土用」は立夏・立秋・立冬・立春直前の約18日間の「期間」を示す言葉です。俳句では、通常土用といえば夏の土用のことをいいます。立秋前の新暦七月十九日ごろからで一年で最も暑い時期にあたります。
土用一日目を「土用太郎」、二日目を「土用次郎」、三日目を「土用三郎」などとよばれています
【例句】
熱き茶で喉を潤す土用かな 伊藤一歩
荒布干す荒磯の土用太郎かな 根岸善雄
江の電の一日切符土用入 平田紀美子
麻酔より覚めたる土用三郎かな 梶浦玲良子
漁舟一つだになき土用かな 安岡みさき
【土用と農耕の関係】
。農耕との結びつきも強く、土用三郎の天候によって稲の豊凶を占ったりします。2020年の土用入り=7月19日。土用明け=8月6日です。 毎年夏の「土用の丑の日」には、夏バテ解消のために鰻を食べる風習がありますが、この風習、一説には平賀源内が江戸時代に始めた、、日本で初めてのキャッチコピーだとか。2020年の「土用の丑の日」は二回有ります。 土用の丑の日(一の丑)=7月21日(二の丑)=8月2日
【今日は何の日】
神前結婚記念日
1900年のこの日、東京の神宮奉斎会本院(現在の東京大神宮)が神前結婚式のPRを始めた。
それまでは結婚式は家庭で行うのが普通だった。この年の5月10日に「皇室御婚令」が発布され、皇太子(後の大正天皇)の御婚儀が初めて宮中賢所大前で行われた。このことにより、国民の間に神前での結婚式をしたいという気運が高まった。
主な出来事
BC356年
古代ギリシャの羊飼い・ヘロストラトスが「歴史に名を残したい」という理由でエフェソスのアルテミス神殿に放火。彼に関する全ての記録を抹消する「記録抹消罪」となるが、歴史書に記され、現在まで名前が残る。
1798年
「ピラミッドの戦い」でナポレオン軍がオスマン帝国のマムルーク軍に勝利。ナポレオンは「4000年の歴史が諸君を見下ろしている」と兵士を鼓舞。
1856年
江戸幕府がアメリカ総領事ハリスの伊豆下田駐在を許可。(新暦8月21日)
1873年
ジェシー・ジェイムズとその兄弟が最初の列車強盗を行う
1944年
米軍が日本占領下のグアム島に上陸。8月11日に小畑英良司令官が自決し日本守備隊の組織的抵抗が終了。
1972年
アメリカの有人月宇宙船「アポロ16号」が月面に着陸
1972年
刑事ドラマ『太陽にほえろ!』が放送開始
1975年
『月刊PLAYBOY』日本版が創刊。
1981年
千代の富士が第58代横綱に昇進。
1993年
若ノ花が大関に昇進。先に大関になっていた弟・貴ノ花とともに史上初の兄弟同時大関が実現。
2001年
兵庫県明石市での花火大会の見物客らが歩道橋で将棋倒し。死者11人。
誕生日
1862年
5世野村万蔵(初世野村萬齋) (狂言師)
1899年
アーネスト・ヘミングウェイ (米:小説家『誰がために鐘は鳴る』『老人と海』)
1933年
池坊専永 (華道家,池坊家元(45代))
1941年
川谷拓三 (俳優)
1944年
トニー・スコット (英:映画監督『トップガン』)
1947年
日吉ミミ (歌手)
1960年
船越栄一郎 (俳優,船越英二の子)
1962年
羽賀研二 (タレント,俳優)
1978年
岩崎恭子 (水泳(平泳ぎ))
1982年
小林麻央 (タレント,11代目市川海老蔵の妻)
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)