2020.4.18

一日一季語 春キャベツ(はるきやべつ)  【春―植物―仲春】

 

奈良井宿雪に届いて春キヤベツ      小澤實

 

 

*2020.2月  居酒屋にて

 

トンカツなど、洋食につき物の生キャベツは「日本の洋食」の現象らしい。西欧では生のキャベツはもっぱらウサギの餌だという(ちくま文庫『身近な野菜のなるほど観察録』)。

句にある、奈良井宿は、中山道六十九次の中で、東海道と共有する草津・大津宿を抜いた純粋な中山道六十七宿中(板橋から守山まで)、奈良井宿は江戸側の板橋宿から数えても京側の守山宿から数えても34番目に位置する、中山道の丁度真ん中の宿場町です。

木曽11宿の中では最も標高が高く、難所の鳥居峠を控え、多くの旅人で栄えた宿場町は「奈良井千軒」と謳われました。春になっても雪がちらつくでしょうね。地名の特性を十二分に表現していると思いました。

 

 

【傍題季語】

玉巻くキャベツ、玉巻く甘藍(たままくかんらん)

*しばらく前まで季語「春キャベツ」は「玉巻くキャベツ」と呼ばれていた。

 

 

【季語の説明】

それまで外側に反っていた葉が、春になって内側に結球し始める キャベツのこと。球全体が比較的ふわふわしている。愛知県 の渥美半島などで栽培される春キャベツは、春系キャベツといわ れるもので葉が薄く柔らかい。

春野菜がとっても美味しい季節になりました。特に注目したいのが春キャベツ!柔らかくて甘いその味わいは、旬のうちにたっぷり楽しみたいです

 

 

【例句】

かかなべてキヤベツ玉巻く春は老ゆ    石塚友二

口にかさばる工場食の春キャベツ     草間時彦

春昼やキャベツ一枚づつ剥がし      鈴木真砂女

葉脈に水音立てて春キャベツ       田村さと子

君の愛詰めこんでいる春キャベツ         三池しみず

 

 

【春キャベツのやみつきごまだれサラダ】

春キャベツを千切りにして塩で揉み

あとは、マヨネーズ+ごまベースの

ごまだれで和えるだけ♪

たったこれだけ

 

 

【春キャベツの違い】

種をまく時期。

年中スーパーで見かける一般的なキャベツ(寒玉)は夏に種をまきますが、春キャベツ(春玉)は秋にまくので収穫時期もそれぞれ違います。

 

見た目。

寒玉キャベツは楕円形ですが、春キャベツはちょっと小さめで丸いのが特長です。栄養価は両者であまり違いはありません。

 

 

 

[春キャベツ(春玉、新キャベツ)]

・丸い(やや小さめ)

・色が鮮やかな黄緑色

・葉と葉の間隔が緩く、ふわっとしている

・水分が多く柔らかい

 

[一般的なキャベツ(寒玉)]

・楕円形

・色は淡い黄緑色

・葉と葉の間隔がギュッと詰まっている

・(春キャベツに比べると)水分が少なく硬い

 

 

【春キャベツは甘いか?】

春キャベツ=甘い、というのが一般的なイメージではないでしょうか。何となく感覚で理解できるものの、実際にどれくらい違うのかを探るべく糖度測定器を使って糖度を計ってみました。

 

結果は…春キャベツが6度、寒玉キャベツは5度。正直あまり差がありませんでした。実はキャベツは寒い冬を超えることで糖度が増し、品種によっては10度以上の糖度を誇る寒玉キャベツもあるのだとか。「春キャベツは普通のキャベツより甘い」とは一概に言えないようですね。

 

春キャベツは、普通のキャベツに比べると水分が多くて葉が柔らかいのが特長です。だから生でサラダにして食べるのがおすすめ。生のキャベツは歯ごたえがあるから食べているうちにアゴがちょうどいい感じに疲れ、噛むことで満腹中枢が刺激されるので、食べ過ぎの予防になるんです。

 

 

今日は何の日

お香の日

兵庫県淡路市の淡路市商工会に事務局を置き、全国の薫物、線香業者などが加盟する日本薫物線香工業会が制定。香文化の普及などが目的。日付は「日本書紀」に日本のお香についての最初の記録として「595年の夏4月、淡路島に沈水(香木)が漂着した」との記述があることと、「香」の字は一十八日と読み分けられることから。

 

よいお肌の日

ウッドデッキの日

 

 

主な出来事

905

    15日に完成した初の勅撰和歌集『続万葉集』に対し醍醐天皇が編纂し直すよう命じ、改めて『古今和歌集』として編輯を行う。(新暦524)

1648

    僧天海が日本初の木活字による経典『大蔵経』を刊行。(新暦69)

1923

    ニューヨークにヤンキースの新球場ヤンキー・スタジアムが開場。当時全米最大。

1927

    蒋介石が南京国民政府(蒋介石政権)を樹立。

2002

    成田空港の2本目の滑走路・暫定平行滑走路の併用を開始。開港から25年目

 

 

誕生日

1884

    前田普羅 (俳人)

1888

    4代目柳家小さん (落語家)

1903

    芝不器男 (俳人)

1949

    鈴木康二朗 (野球(投手),王貞治に756号ホームランを打たれる)

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)