2020.1.26

一日一季語 冬芽(ふゆめ)   【冬―植物―三冬】

 

 

毛ごろもの辛夷の冬芽総立ちに       大坪景章

 

*2020.1.22   群馬県藤岡市付近にて

 

 

辛夷の蕾は銀色の毛を持つ3枚の「萼片」で覆われています。

これを、毛衣という言葉で表現したのは、作者の観察眼の鋭さではないでしょうか。

辛夷は、つぼみの先が北を向くのでコンパスプラントとよばれています。

総立ちは、この北をむいていることに基づいているのでしょうね。

 

 

【傍題季語】

冬木の芽(ふゆきのめ)

 

 

【季語の説明】

落葉樹は冬の間休眠しているように見えるが、小さな芽を育んでいる。それが確かな形となり、ふくらんでくると春は近い。

 春にほころびる木の芽は、おおむね秋のあいだにきざし、鱗片や 樹脂などに保護されて寒い冬を越す。辛夷、木蓮、梅、桜など裸 木となった落葉樹の冬芽は案外とよく目立つものである。

 

 

【例句】

冬木の芽水にひかりの戻りけり     角川照子

旅人に素顔のぞかす冬木の芽     高畑信子

冬木の芽竹樋はしる水の音            神山テル

討入の日の牡丹の冬芽かな            三村純也

閻魔王辛夷の冬芽育てをり            河合佳代子

 

 

【冬芽とは】

冬芽で冬を越す意味(葉を落とすわけ)

 ☆ 冬になると気温が下がり、乾燥した地中から水を吸い上げにくくなるため、水分が出ていきやすい葉の部分を落として体の水分が失われるのを防いでいます。

☆ 植物は動物のように不要なものをオシッコとして出すことができません。そこで古くなった葉に不要物をため、葉と一緒に捨てています。

☆ 冬芽は、寒さや雨をしのぎ、シカ、ウサギ、野鳥などに食べられるのを防ぐコートの役割を果たしています。

 

辛夷

果実は集合果で『にぎりこぶし状』のデコボコがあるので果実の形状からコブシの名前が付けられました

早春に他の木々に先駆けて白い花を梢いっぱいに咲かせます

別名を『田打ち桜』と言うようです

 

 

【冬木の芽】

落葉樹は概ね晩秋に葉を落とし、休眠状態で冬を過ごします。葉を落とした冬木は、見た目には枯れ木のような状態です。しかし、冬木は春の息吹を感じ始めると、木の芽が膨らんで、春には花を咲かせるのです。

 

 

今日は何の日

帝銀事件の日

1948年のこの日、東京・豊島の帝国銀行椎名町支店で行員16人を毒殺して現金などを奪った「帝銀事件」が起こった。同年に容疑者が逮捕され、後に死刑が確定したが、審理に不審な点が多く、冤罪事件とみられている。

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文化財防火デー

1949年のこの日、日本最古の壁画が描かれた奈良の法隆寺金堂が火災により焼損した。

 

有料駐車場の日,パーキングメーターの日

1959年のこの日、東京都が日比谷と丸の内に日本の公共駐車場初のパーキングメーターを設置した。

料金は15分単位で10円だった。

 

コラーゲンの日

1960年のこの日、日本皮革(現 ニッピ)の研究員・西原富雄がコラーゲンの可溶化に成功し、特許を出願した。

可溶化によって食品などへのコラーゲンの利用が容易になった。

 

携帯アプリの日

2001年のこの日、NTTドコモが携帯アプリケーション「iアプリ」のサービスを開始した。

 

 

主な出来事

806

最澄の天台宗が公認される

1184

源頼朝が後白河法皇からの平氏追討の令を受ける。(新暦35)

1911

リヒャルト・シュトラウス作曲のオペラ『ばらの騎士』がドイツ・ドレスデンで初演

1949

法隆寺金堂が漏電により火災。国宝の壁画のほとんどが火災と放水で損傷。

1992

貴花田が195か月の史上最年少で幕内優勝

2001

山手線新大久保駅でホームから転落した人と助けようと線路に降りた2人が電車に轢かれ死亡

 

 

誕生日

1880

ダグラス・マッカーサー (:陸軍元帥,連合国最高司令官)

1921

盛田昭夫 (経営者,東京通信工業(現在のソニー)設立)

1925

ポール・ニューマン (:俳優,映画監督『明日に向かって撃て!)

1949

小川知子 (女優)

1955

所ジョージ (タレント,シンガーソングライター)

1966

長嶋一茂 (タレント,野球(内野手))

 

  

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)