2019.11.25

一日一季語  冬構(ふゆがまえ《ふゆがまへ》) 【冬―生活―初冬】

 

 

冬囲いつも四角な国がまへ    辻直美

 

 

*2019.10  昭和記念公園にて

 

文字の形と季語の取り合わせで、面白く俳味のある句。

写生の句だと、冬に向かって、どのような物が出てくるのかで、発見があるが、

 

 

 

【傍題季語】

冬囲(ふゆがこい《ふゆがこひ》)

 

 

 

【季語の説明】

冬を迎える用意で、家々では北窓を塞いだり、風よけを設けたり、また庭木を藁(わら)で囲って寒さに備えたりする。この他田畑の作物や花卉(かき)類に対しても防寒・防雪の備えをする。

 

 

 

【例句】

口固く結びてゐたり冬構      村越化石

カーテンを厚く医院の冬構    鈴木良戈

凝り性の園丁らしき冬構      千原叡子

まる結び蝶結びあり冬囲      羽賀則子

ひと枝ごとしだれ桜の冬囲    安部康子

 

 

 

【冬構・冬囲い】

雪国では、雪を防ぎ寒気に備えるために、冬、民家では杭・長木を軒に渡して筵を掛け、家の外側を覆います。これを雪囲といいます。

 

樹木(主に庭木)を積雪や冷気から保護することを目的に、藁や筵を使って囲むこと(行為)をいう。積雪寒冷地で広く見られる光景で、金沢の兼六園で行われる「雪吊」も冬囲いの一種である。

 

金沢の長町武家屋敷跡の、土塀の続く街並みでは、冬場には、土塀に「こも」(「菰」と書く。筵のこと)を吊るこも吊りが行われている。雪が降ったり霜が降りたりすると、土塀がその雪や霜の水分を含んで、もろく崩れやすくなる。そこで、このこもを吊ることで、水分が土塀に吸収されることを妨げ、土塀の傷みを防いでいるわけである。兼六園の雪吊り、武家屋敷のこも吊りは、金沢の年中行事の一つである。

 

 

 

今日は何の日

憂国忌

小説家・三島由紀夫の忌日。

1970(昭和45)年のこの日、三島由紀夫が、自ら主催する「楯の会」のメンバー4人と共に東京・市ヶ谷の陸上自衛隊東部方面総監部で総監を人質にとって本館前に自衛官1000人を集合させ、自衛隊の決起を訴える演説を10分間行った。その後総監室で楯の会会員の森田必勝とともに割腹自殺した。

 

監督・主演した映画『憂国』に因み、毎年「憂国忌」が営まれている。

 

 

 

主な出来事

1120

    イングランド王子ウィリアムほか多数の王族・貴族が乗る船「ホワイトシップ」がイギリス海峡で沈没

1253

    鎌倉幕府執権・北條時頼が建長寺を建立し落慶法要。

1557

    毛利元就が毛利隆元・吉川元春・小早川隆景に14箇条の遺訓を記す。後に「三本の矢」の話として伝えられる。

1687

    松尾芭蕉が『笈の小文』の旅に出発。「旅人と我名よばれん初しぐれ」。

1867

    アルフレッド・ノーベルがダイナマイトの特許を取得。

1875

    イギリスがエジプトからスエズ運河株を買収。

1876

    福澤諭吉の『学問のすゝめ』最終刊・第17篇が刊行

1931

    平凡社が『大百科事典』を刊行開始

1967

    南西諸島の硫黄鳥島で噴火。硫黄採掘関係者が撤退し、以後無人島に

1970

    三島事件。作家・三島由紀夫らが自衛隊市ヶ谷駐屯地でクーデターを呼びかけるが失敗し割腹自殺

1986

    三菱銀行有楽町支店で33千万円強奪。現金輸送車強奪の史上最高額。

 

 

 

誕生日

1895

    ヴィルヘルム・ケンプ (:ピアニスト)

1900

    ルドルフ・フェルディナント・ヘス (:アウシュヴィッツ強制収容所所長)

1914

    ジョー・ディマジオ (:野球(外野手),マリリン・モンローの元夫)

1930

    笹沢左保 (小説家『木枯らし紋次郎』)

1949

    吉田類 (詩人)

 

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)