2019.9.1 

一日一季語 二百十日(にひゃくとおか《にひやくとをか》)

【秋―時候―仲秋】

 

 

厄日過ぐ父退院の手配して   高橋悦男

 

 

立春から数えて210日目が「二百十日」と呼ばれる日です。この頃は、ちょうどイネの開花期であり、毎年周期的に台風が来襲する時期でもあります。人々は二百十日を“厄日”“荒れ日”として昔から警戒してきたのです。

こんな厄日を避けての退院の手配。

 

 

 

【傍題季語】

厄日(やくび) 二百二十日(にひゃくはつか《にひやくはつか》)

 

 

 

【季語の説明】

立春から数えて二百十日めで、九月一日ごろ。台風が襲来することも多い時期で、稲の開花期にもあたることから、農家では「厄日」として警戒する。

 

 

 

【例句】

火の山の肌に紅さす厄日過ぎ   岸田稚魚

筆硯や二百十日を忘れ過ぎ    石川桂郎

ふつくらとご飯の炊けて厄日かな 片山由美子

てのひらに二百二十日の茶碗かな 今井杏太郎

慎みて二百十日の海と空        浜福恵

 

 

 

【二百十日とは】

二百十日(にひゃくとおか)は、雑節のひとつで、立春を起算日として210日目(立春の209日後の日)である。日付ではおよそ91日ごろである。台風の多い日もしくは風の強い日といわれるが、必ずしも事実ではない。

 

稲が開花する重要な時期です。しかし、農作物に甚大な影響を与える台風に見舞われることも多い時期です。そこで、過去の経験から、農家にとっては油断のならないこの日を厄日として戒めることにしていたそうです。

それは農家だけでなく、漁師にとっても出漁できるかどうかとともに、生死に関わる問題だったそうです。

 

 

 

【風祭りと風習】

農作物を守るために風を鎮めるための風祭りは全国各地に残っています。

特に有名なのが富山市八尾町で行われる風祭り、越中八尾「おわら風の盆」。独特の風情が人気を呼び、小説や歌にも数多く登場しています。

越中八尾「おわら風の盆」は、風を鎮める豊年祈願と盆踊りが融合し、娯楽のひとつとして愛しまれてきたお祭りで、300年以上の歴史があります。坂の町・八尾の古い街並みに哀愁をおびた胡弓の音色が響き、「越中おわら節」にのせて、編み笠をかぶった男女が踊り歩きます。誰もが楽しめる「豊年踊り」、優雅な「女踊り」、勇壮な「男踊り」があり、男女ペアで艶やかに踊ることもあります。

 

また、鎌が風の力を衰えさせると信じられていたため、屋根の上や軒先に鎌を取り付けたり、竹竿の先に鎌を付けて立てたりする風習もあります。

 

 

 

今日は何の日

木歩忌

俳人・富田木歩の1923年の忌日。

 

 

 

防災の日 

1923年(大正12年)の9月1日午前11時58分、関東地方をマグニチュード7.9の大地震が襲い、死者・行方不明者14万人という大災害となった。この日を忘れることなく災害に備えようと、1960年(昭和35年)から防災の日が制定された。

 

 

ESWLの日 

望菜の日 

ギリシャヨーグルトの日 

こいまろ茶の日 

ねんどの日 

 

 

 

主な出来事

1871

    熊本洋学校が開校。(新暦1014)

1904

    與謝野晶子が『明星』で反戦長詩「君死にたまふことなかれ」を発表。

1911

    平塚らいてう(雷鳥)らが女性文藝雑誌『青踏』を創刊。雷鳥の宣言「元始、女性は太陽であつた」を創刊号に掲げる。

1923

    アメリカの建築家ライトの設計による帝国ホテル新館で開館式。大震災でも無事。

1927

    宝塚歌劇団が日本初のレビュー『モン・パリ』の初演。

1963

    国鉄が自動列車停止装置(ATS)の使用を開始。

1964

    10月の東京オリンピックに合わせ、赤坂にホテルニューオータニ、芝に東京プリンスホテルが開業。

1985

    73年前に沈没したタイタニック号が北大西洋沖で発見される。

2001

    新宿・歌舞伎町の雑居ビルで火災。死者44人。

 

 

 

誕生日の有名人

1878

    真山青果 (小説家,劇作家『平将門』『元禄忠臣蔵』)

1889

    国吉康雄 (洋画家)

1904

    幸田文 (小説家,随筆家『黒い裾』,幸田露伴の子)

1909

    25代木村庄之助 (相撲/立行司[])

1926

    一龍齋貞鳳 (講談師,参議院議員[])

1929

    若山富三郎 (俳優,勝新太郎の兄)

1935

    小澤征爾 (指揮者)

1981

    森下千里 (タレント)

 

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)