2019.8.19
一日一季語 夜の秋(よるのあき) 【夏―時候―晩夏】
膝に乗る黒猫の愚図夜の秋 坪内稔典
7月も終わりぐらいになると、暑さの中にふと秋の気配を感じます。
猫が主人を慕って膝に乗る。ちょと涼しさを感じるからこそ、愛しいものなのかもしれません。
出だしの「膝」と結語「秋」のイ音がくぐもった音を連続させた全体の調子を引き締めている。「ほかのあらゆる類似の言葉を拒んでその特別に選ばれた言葉どおりくりかえし口誦されることを望んでいる」とは高柳重信の言葉
【傍題季語】
夜の秋(よのあき)
【季語の説明】
「夏-時候」の季語
古くは秋の夜と同じ意味であったが、近代以降、夏の季語として使われるようになった。晩夏になると夜はすでに秋の気配が漂うことをいう。
→ 秋の夜(秋)
【例句】
中年や独語おどろく夜の秋 西東三鬼
夜の秋いづれの星の風とどく 神蔵器
混浴の岩風呂に入る夜の秋 松崎鉄之介
夜の秋手酌の傾ぎ深くせり 頓所友枝
コクトーの一筆書きや夜の秋 津田このみ
【夜の秋:秋の夜】
「夜の秋」を夏の季語としたのは明治以降とのこと
「秋の夜(あきのよ)」は秋の季語で、「夜の秋(よるのあき)」は夏の季語です。
「夜の秋」とは、「晩夏、日中はうだるように暑いのに、夜になると、秋の兆しが漂う。」「夏の夜に感じる秋の気配という意味であり、秋の夜のことではない。」
「夜の秋」
「立秋に先駆けて用いる夏の季語である。古くは「秋の夜」と同じく秋夜をさしたが、近代以降、夏の季語に転じた。「夜半の秋」ともいう。」
【今日は何の日】
バイクの日
総務庁交通対策本部が1989年に制定。
「バ(8)イ(1)ク(9)」の語呂合せ。
バイクの安全を考え、バイクによる交通事故の増加を防止するための日。
俳句の日
正岡子規研究家の坪内稔典らが提唱し、1991年に制定。
「は(8)い(1)く(9)」の語呂合せ。
夏休み中の子供達に俳句に親しんでもらう日。
義秀忌
小説家・中山義秀の1969年の忌日。
主な出来事
1933年
中等学校野球大会の準決勝で中京商と明石中が延長25回・4時間55分の熱戦
1960年
ソ連で有人宇宙船試験機「スプートニク5号」打ち上げ。2匹の犬ほか多数の動植物を搭載し、翌日、全てが無事に帰還。
1980年
新宿駅西口バスターミナルで京王バスに放火。死者6人、重軽傷19人
誕生日
1883年
ココ・シャネル (仏:服飾デザイナー)
1926年
東千代之介 (俳優)
1962年
風間トオル (俳優)
1986年
木村沙織 (バレーボール)
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)