2019.5.20

 一日一季語 緋鯉(ひごい《ひごひ》)【夏―動物―三夏】

 

 

ゆたかにも水の濁りて緋鯉かな    大木あまり

 

 

緋鯉や錦鯉など、金魚と同様に涼味を呼ぶことから夏の季語となっています。

緋鯉の力強く振る尾に、池の底の泥が舞い上がり、水を濁らしたのでしょうか。ゆたかの言葉に、緋鯉の大きさもそれとなくわかる気がします。

池や、用水路などに放たれている緋鯉、錦鯉は、目を和ませてくれます。

 

 

 

【傍題季語】

色鯉(いろごい《いろごひ》) 白鯉(しろごい《しろごひ》) 錦鯉(にしきごい《にしきごひ》)

 

 

 

【季語の説明】

熱帯魚や金魚のように涼を呼ぶ観賞魚であることから、夏季の季題とする。この緋鯉をもとにして他の品種と交配してできたものが錦鯉(にしきごい)。

 観賞用として飼われている鯉の一種。野生の鯉からの変種であるが、一般的には燈赤色のものをいう。赤や紅白の斑入り、金色や三色の錦鯉など種類はさまざま。新潟産の錦鯉は国内外で珍重される。 

 

 

 

【例句】

周防とや緋鯉の水に指ぬらし    飯島晴子

鱗一枚落して緋鯉沈みけり     長谷川かな女

屈託もなくて緋鯉の浮き沈み    渡辺たか子

錦鯉溢れんばかりわが生家     右城暮石

金閣の金を破りて錦鯉       高澤良一

 

 

 

【錦鯉とその起源】

食用に供される真鯉も観賞用の錦鯉も同じ硬骨魚網コイ目コイ科コイ属の温帯性淡水魚で、生物学的に錦鯉という分類はありません。鯉の原産地はペルシア(現在のイラン周辺)地方と考えられ、今からおよそ千年前に中国から日本に渡来したものといわれていますが、はっきりしたことはわかっていません。

 

文化文政(18041830年)の頃、現在の新潟県の山間部(主に山古志・小千谷・魚沼の二十村郷)において食用として飼われていた真鯉の中に、変わった体色のものが出現しました。そのような鯉を何代も交配していくうちに緋鯉が出現し、さらに浅黄、べっ甲などが作られました。天保年間(1830年頃)になると、白地に緋斑の乗った更紗模様の紅白ができたといわれています。その後も改良が加えられ、明治の初め頃には、黄写り、浅黄、更紗の優れた錦鯉の生産が定着しました。大正時代には黒白斑(白写り)、黒黄斑(黄写り)、紅白、大正三色などが、昭和に入ると、昭和三色、銀鱗、黄金などの絢爛豪華な錦鯉も作出されていきます。ドイツ種の鯉は明治37(1904)に輸入され、浅黄と交配されてできた秋翠を筆頭に各種のドイツ鯉系錦鯉が生まれました。

 

錦鯉は当初、「色鯉」「花鯉」「模様鯉」などと呼ばれていたようですが、第二次世界大戦中に「いろ」だの「はな」だのは時局にそぐわないということで「錦鯉」となったとか、もっと後の昭和30年頃に自然と定着した名称ともいわれています。また、大正三色種につけられた呼び名の「錦鯉」がしだいに広義に使われた、という説もあります。今日、「錦鯉」は鑑賞用の鯉の総称として、日本だけではなくNishikigoiとなって世界中で使われています。

 

錦鯉の生産は日本各地に広がり、現在も品種改良が施されてさまざまな品種の名鯉が誕生しています。山古志・小千谷・魚沼地方は錦鯉の故郷として、世界中の愛鯉家のあこがれの地となっています。

*一般社団法人  全日本愛鱗会  ホームページ引用

 

 

 

今日は何の日

世界計量記念日(World Metrology Day)

「メートル条約」締結125周年を記念して2000年から実施。

1875年のこの日、フランス政府の提唱により「メートル条約」が欧米17か国間で締結された。

 

 

東京港開港記念日

1941年のこの日、芝浦・竹芝両埠頭が完成し、外国貿易港として開港指定を受けた。

それまで東京の貿易は横浜港に依存していたが、関東大震災により東京にも大型船が入港できる港が必要になったことから、東京港が作られた。

 

 

成田空港開港記念日

1978年のこの日、千葉県成田市に新東京国際空港(現 成田国際空港)が開港した。

19667月に千葉県三里塚に空港建設が閣議決定されてから12年かかっての開港だった。地元の意向を無視した決定に対し強力な反対運動が展開され、死者も出た。当初の開港日の4日前に過激派ゲリラが突入して管制塔の機器が破壊され、開港がこの日まで延期された。開港式典は機動隊の戒厳の中で行われた。

 

 

ローマ字の日

財団法人日本のローマ字社(NRS)1955(昭和30)年に制定。

ローマ字国字論を展開した物理学者・田中舘愛橘の1952521日の命日に因み、きりのいい20日を記念日とした。

 

 

森林の日

岐阜県美並村など村名に「美」の字がつく村10村で結成した「美し村連邦」が制定。

5月は「森林」の中に「木」が5つ入っていることから、20日は「森林」の総画数が20画であることから。

美し村連邦は、参加する村のほとんどが平成の大合併で消滅することから2003年に解散している。

 

 

 

主な出来事

1467

    應仁の乱で山名持豊、畠山義就らが挙兵。(新暦621)[Wikipedia]

1635

    江戸幕府が「第3次鎖国令」発布。日本人の海外渡航・渡航者の帰国・長崎以外への外国商船入港を禁止。(新暦74)

1887

    博愛社が日本赤十字社に改称。

1909

    「味の素」発売。

1956

    アメリカがビキニ環礁で初めての水爆投下実験。

1978

    新東京国際空港(成田空港)が開港。

1984

    外国人初の関取・高見山が引退。

2001

    ウィキペディア日本語版が開設。

 

 

 

誕生日の有名人

1459

    呉偉 (明の画家)

1908

    ジェームズ・ステュアート (:俳優)

1924

    相田みつを (詩人,書家)

1940

    王貞治 (野球(内野手・監督))

    1977年国民栄誉賞(1),1994年野球殿堂,名球会会員

1948

    真理アンヌ (女優)

 

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

富山いづみ <admin@nnh.to>

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)