2019.5.2
一日一季語 端午(たんご)【夏―行事―初夏】
武具飾り終へて鼻唄交りかな 波多野爽波
五月人形を飾るときに甲冑と一緒に飾るのが武具飾り。
武者人形や鎧兜の両側に、向かって右に太刀、左に弓を飾ります
五月人形を飾り、その後に武具を飾りつけている作者。
初節句のうきうきした気持ちに感じ取れます。
【傍題季語】
端午の節句(たんごのせっく《たんごのせつく》) 五月の節句(ごがつのせっく《ごぐわつのせつく》) 菖蒲の日(あやめのひ) 旧端午(きゅうたんご《きうたんご》) 武者人形(むしゃにんぎょう《むしやにんぎやう》) 五月人形(ごがつにんぎょう《ごぐわつにんぎやう》) 武具飾る(ぶぐかざる) 菖蒲葺く(あやめふく) 菖蒲挿す(しょうぶさす《しやうぶさす》) 軒菖蒲(のきしょうぶ《のきしやうぶ》)
【季語の説明】
「夏-行事」の季語
五月五日の男子の節句で、菖蒲(しようぶ)の節句ともいう。五節句の一つで平安時代には宮中で行われていたが、室町時代に武家の行事に取り入れられ、菖蒲を尚武にかけて男子の成長や武運長久を祈願するようになった。男子のある家では幟(のぼり)を立てたり武者人形などを飾り、この日を祝う。かつては菖蒲を軒に挿す風習があったが、今ではあまり行われない。
【武者人形とは】 ブリタニカ国際大百科事典
五月人形ともいう。5月5日の端午の節句に飾る人形。端午の節句には古くからしょうぶなどを飾る風習があったが,江戸時代の前期頃から家の前に棚をつくり,それに槍,なぎなた,のぼりなどを立て,大型の人形を飾るようになった。江戸時代中期には独立した武者人形を縁側や店先など,往来から見えるところに飾るようになり,さらに後期には家の中に飾る小型のものとなって普及した。武者人形には金時や鍾馗 (しょうき) ,神功皇后と武内宿禰 (すくね) ,源義経,加藤清正など,勇ましいものが擬せられる。
【武者人形を飾る時期】
端午の節句は、地方によって旧暦で行うところもありますが、ほとんどは5月5日に行われます。
五月人形を飾る時期は、ひなまつりのあとの吉日に飾り付けるのがよいそうです。
一夜飾りは何事につけても嫌われますので、遅くとも一週間前には飾り付けをするようにするといいようです。
しまう時期は、端午の節句が終わったあと、五月中旬ごろ迄の天気が良く、空気が乾いている日がいいようです。
天気の悪い日は、湿気を含んでおりカビやサビの原因になるそうです。
<しまい方ワンポイントアドバイス>
しまう前に、毛ばたきなどでホコリを丁寧に払い落とす。
飾り金具や鍬形など、金属部分は手の脂や汗に弱いので、乾いた柔らかい布で、丁寧にふき取る。
【例句】
青畳静謐にして武具飾る 後藤夜半
飾りたる武具に今宵は祖父の客 後藤比奈夫
武具飾り松籟乱れなき山家 大峯あきら
しづかにも武者人形の髪そよぐ 岸本尚毅
武具飾り紫勝ちの部屋となる 今橋眞理子
【今日は何の日】
郵便貯金の日,郵便貯金創業記念日
郵政省(現在の日本郵政)が1950年に制定。
1875年のこの日、東京府下の郵便局と横浜郵便局で郵便貯金の業務を開始した。
交通広告の日
関東交通広告協議会が1993年に制定。
五(ご)2(ツー)で「こうつう」(交通)の語呂合せ。
交通広告とは、駅や電車・バスの車内に貼られる広告のことである。
歯科医師記念日
日本歯科医師会(日歯)が1957年に制定。
1906年のこの日、歯科医師の身分や業務を確立する「歯科医師法」が施行された。
緑茶の日
日本茶業中央会が制定。
八十八夜は茶摘みの最盛期であることから。八十八夜は年によって日が変わるので、5月2日(閏年は5月1日)に固定して実施している。
主な出来事
713年
元明天皇が諸国に『風土記』の編纂を命じる。(新暦5月30日)
1901年
閣内不統一により伊藤博文首相が辞任を表明
1921年
「東京朝日新聞」で岡本一平の漫画『人の一生』の連載開始。日本初の物語漫画
1947年
「外国人登録令」公布・施行。大日本帝国憲法下で公布された最後の勅令
1948年
4月28日施行の「夏時刻法」に基づき、5月第1土曜日から9月第2土曜日までのサンマータイム(サマータイム)を実施。1952年に廃止
1948年
講道館で第1回全日本柔道選手権大会開催
1969年
クルーズ客船「クイーン・エリザベス2」が処女航海
1984年
昭和石油とシェル石油が1985年1月の合併を発表
1995年
野茂英雄が大リーグで初登板
誕生日の有名人
1939年
なべおさみ (コメディアン)
1939年
野村万之介 (狂言師)
1952年
夏木マリ (女優,歌手)
2015年
シャーロット王女 (英:王族,ウィリアム王子の第1女子)
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)