2018.11.20

 一日一季語 冬の月(ふゆのつき)【冬―天文―三冬】

 

 

冬三日月高野の杉に見失ふ    桑島啓司

 

 

昭和16年鳴門市生れ。

昭和29年「うずしお句会」入会。

昭和36年「住友金属俳句会」入会。山田重昭氏と出会い「天狼」を知る。鷹羽狩行先生のファンになる。

昭和38年「天狼」「岬」入会。山口超心鬼先生と出会い、芭蕉論・誓子論を学ぶ。

昭和40年岬賞受賞。

昭和53年「狩」入会。

昭和54年「天狼」「岬」退会。昭和55年第1句集『青嶺』上梓(天狼時代の作品を収録)。

昭和56年狩同人。昭和62年毎日俳壇賞受賞。

平成14年狩白羽同人。俳人協会会員、日本現代詩歌文学館評議員、和歌山文化協会文芸部長

 

 

 

【傍題季語】

寒月(かんげつ) 冬満月(ふゆまんげつ) 冬三日月(ふゆみかづき)

凍月(いてづき)

 

 

 

【季語の説明】

澄みわたった大気の中で冬の月は磨ぎ澄まされたように輝く。

 

 

 

【例句】

天辺に夢野久作冬の月       津田このみ

飯炊けし窓の曇りや冬の月     正木ゆう子

熱の子に幾度も触れし冬の月    福島松子

電飾の並木のとぎれ冬の月     門伝史会

ベランダに猫が来てゐる冬の月   藤井美晴

 

 

湖も山も墨絵ぼかしに冬満月    森岡正作

宿の夜の冬満月を窓にして     大島英昭

拝みたり冬満月の落着きを     大坪景章 

 

 

舟寄せて冬三日月に舫ひけり    小澤克己

冬三日月吊されやがて鳥になる   斎藤白砂

これやこの冬三日月の鋭きひかり  久保田万太郎

 

 

星一つ従へてをり凍てし月     赤座典子

月青く凍てて荒磯ばかりかな    遠藤真砂明

冷凍の月光漬けのわが家かな    石田きよし

 

 

 

【日本酒】

冬の月ふゆのつき  特別純米袋取り無濾過しぼりたて生酒

岡山県・寄島町

 

米の旨味を凝縮した濃醇な味わいと銀光に輝いた月からしたたり落ちた絹のようなお酒を詰めました。

 

 

 

【水牛歳時記  引用】

古来、文人、歌人は秋の月を愛でる一方で、冬月の美に目を

とめた。紫式部も「源氏物語」朝顔の巻の中で、「冬の夜の澄

んだ月の光が雪と光り合っているところなどは、この世の外の

ことまで思いが走り、実に素晴しいものだ。それをすさまじき

もの(殺風景で興ざめなこと)の例えに引く向きもあるけれど、

とんでもないことだ」と冬の月の風情を称えている。

 俳諧にも当然それは受け継がれて、芭蕉とも親交のあった椎

本才麿は「鳥は浮き魚はしづみて冬の月」と詠み、榎本其角は

「この木戸や鎖のさゝれて冬の月」、与謝蕪村は「静なるかし

の木はらや冬の月」と詠んだ。いずれの句も、寒気厳しく静ま

り返った中に、月が青白い光を凄然と放っている光景が浮かぶ。

 

 

今日は何の日

毛布の日  

毛布製造業者の団体「日本毛布工業組合」が制定。あたたかい家族にぬくもりある生活を届ける毛布の振興を図るのが目的。日付は11月は毛布の主要産地の大阪府泉大津市で長年にわたり「泉大津毛布まつり」が行われてきたことから11月。そして、日本で毛布が初めて生産されたのが明治20年なのでその数字から20日としたもの。

 

 

多肉植物の日 

イイツーキンの日 

組織風土の日 

ピザの日 

発芽大豆の日 

いいかんぶつの日 

発芽野菜の日 

 

 

 

主な出来事

208年赤壁の戦い。孫権・劉備の聯合軍と曹操軍が揚子江の赤壁で戦い孫権・劉備軍が勝利

1880年東京・三田育種場で競馬を開催し、初めて馬券を発売

1889年マーラーの交響曲第1番が初演

1890年帝国ホテルが開業。煉瓦造り3階建てで70

1971年日活ロマンポルノ第一作『団地妻・昼下がりの情事』ほかが封切り

1998年国際宇宙ステーション(ISS)の最初のモジュール「ザーリャ」が打ち上げ

2001年マリナーズのイチロー外野手が大リーグで日本人初のMVPを獲得

2007年京都大学の山中伸弥教授が、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作成に成功したと発表

 

 

 

誕生日

1879年青木月斗 (俳人)

1915年市川崑(映画監督『ビルマの竪琴』)

1932年萬屋錦之介 (俳優)

1943年浜美枝 (女優)

1980年小池栄子(タレント,女優)

 

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

 

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)