2018.09.25
一日一季語 芒(すすき) 【秋―植物―三秋】
迷ひたくなるほど揺れて花芒 高倉和子
高倉和子(たかくら・かずこ)一九六一年生まれ。
「白桃」同人、「空」編集長。
第一句集『男眉』
第二句集『夜のプール』 第五回朝日俳句新人賞受賞。
この句集は平成五年から二十二年夏までの句。
【傍題季語】
薄(すすき) 尾花(おばな《をばな》) 花芒(はなすすき) 鬼芒(おにすすき) 糸芒(いとすすき) 十寸穂の芒(ますほのすすき) 真赭の芒(まそほのすすき) 縞芒(しますすき) 鷹の羽芒(たかのはすすき) 芒原(すすきはら)
【季語の説明】
芒はイネ科の大型多年草で、日当たりの良い山野のいたるところに自生する。屋根を葺くのに使用したため、カヤともいう。秋、稈頭(かんとう)に中軸から多数の枝を広げ、黄褐色か紫褐色の花穂を出す。花穂が開くと真っ白な獣の尾を思わせるような形となり尾花と呼ばれる。花穂の長さは一五~四〇センチで、秋の七草の一つ。風に一斉になびくさまは美しい。細長い葉は刃物のように鋭く、触れると指を切る。十寸穂(ますほ)の芒は十寸(三〇センチ)もあるもの。真赭(まそほ)は穂が赤みを帯びて輝いているという意。縞芒・鷹の羽芒は葉に白い模様がある。
→ 青芒(夏)
→ 枯芒(冬)
【例句】
花芒地酒の話濃くなりぬ 大牧広
芒照る車中の選句ひと区切り 岡本眸
穂を解きて風の虜となる芒 今村征一
芒野に隠れた兄の掌のなか 河西志帆
光るものしきりに放ち芒原 望月晴美
【芒について】
芒(のぎ、「ぼう」とも)は、コメ、ムギなどイネ科の植物の小穂を構成する鱗片(穎)の先端にある棘状の突起のこと。ススキのことを芒とも書くが、これに似たイネ科の植物にオギ(荻)がある。ススキには芒があるが、オギには芒がない。二十四節気のうち芒種(ぼうしゅ)は、芒を持つ植物の種を蒔く時期のことである。また、陶器などの表面に現れる芒状の細長い斑紋を芒になぞらえて芒目(のぎめ)と呼ぶ。
【今日は何の日】
藤ノ木古墳記念日
1985(昭和60)年のこの日、奈良県斑鳩町の藤ノ木古墳の石室等が発堀された。藤ノ木古墳は直径約48m、高さ約9mの円墳で、古墳時代後期の6世紀後半に作られたものと考えられている。
主婦休みの日
生活情報紙『リビング新聞』が2009年に制定。
(旧)介護の日
「がんばらない介護生活を考える会」が2005(平成17)年に制定。
2008(平成20)年に政府が11月11日を「介護の日」と定めたことから、それ以降は同会でもこの日に活動を行っている。
主な出来事
893年
菅原道眞が『新撰万葉集』上巻を編纂。(新暦11月7日)
1829年
1年前に幕府禁制品である日本地図などの持ち出しを図ったシーボルトが国外追放・再渡来禁止に。(新暦10月22日)
1870年
明治政府が入れ墨刑を廃止。
1936年
巨人の沢村栄治投手が日本プロ野球初のノーヒット・ノーランを達成。
1954年
日本中央競馬会(JRA)による中央競馬が初めて開催。
2007年
安倍改造内閣が総辞職
誕生日
1599年
フランチェスコ・ボッロミーニ (伊:建築家)
1683年
ジャン=フィリップ・ラモー (仏:作曲家)
1881年
魯迅 (中国:小説家,思想家『阿Q正伝』)
1920年
高木彬光 (推理小説家)
1937年
北村総一朗 (俳優)
1952年
クリストファー・リーヴ (米:俳優『スーパーマン』)
1953年
古今亭志ん輔 (落語家)
1981年
MEGUMI (タレント)
1990年
浅田真央 (フィギュアスケート)
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)