2018.08.27 

一日一季語 寒蟬(かんぜみ)【秋―動物―初秋】

 

 

寒蝉や水に入るやう磴下りる   佐藤喜孝

 

 

あを 代表・佐藤喜孝

創 刊 20011

 

 

【傍題季語】

主季語である、法師蝉(ほうしぜみ)の傍題季語のひとつが寒蝉(かんぜみ)

 

 


 

【季語の説明】

寒蝉(かんせん):「法師蝉(ほうしぜみ)」の漢名傍題。「つくつくぼうし」の通称でも。秋冷を覚える時季に鳴き始めるところから「寒」の字を冠して呼ばれる。

 

類似季語

寒蝉鳴く/かんせんなく

初秋

七十二候のうちの立秋三候(八月十八日~二十二日頃)のこと。 寒蝉は法師蝉。

 

 

 

【例句】

寒蝉や故人の言に鍛へられ    伊丹さち子 

寒蝉や地球はいつも熱うして   松原仲子

寒蝉の一気に熄みし静寂かな   中村月代

寒蝉の日を同じうし鳴く神秘   植村よし子

寒蝉の耳にのこりし眠りかな   雨村敏子

 

 

 

【寒蝉鳴の由来】

この時期になると、蜩(ひぐらし)が鳴き始めることが、この名前の由来です。

「ひぐらし」という名前は、日暮れに鳴くところから名付けられました。

和歌にも「聞くからに寂しかりけり涼風のわたる木末のひぐらしの声」というものがあります。

涼風の吹く木立からのひぐらしの声を聞き、秋の気配が淋しく感じられるというこの歌からも、いよいよ秋が深まってくるという印象を受ける時期です。

「寒蝉」は秋に鳴く蝉のことで、「つくつく法師」をさす場合もあります。

「蜩」も「つくつく法師」も俳句では秋の季語になっています。

蜩は実際には夏のうちから鳴き始めます。

夏の代名詞ともいえるミンミンゼミやアブラゼミより早く鳴き始めるのに、なぜ秋の季語になるのでしょうか。

 

それは、朝夕の涼しいときにに鳴く、その涼しげで少し淋しい声が秋を連想させるからともいわれています。

 

 

 

【蝉の鳴き声】

蝉の声について。

左右の大脳半球がそれぞれ言語と音楽に対応する機能を持つとする説によれば、日本人は虫や動物の鳴き声を左半球の言語脳で聞く珍しい民族らしい。

ところが虫の声でも蝉とキリギリスだけは例外で、言語半球の優位性は認められないという。

つまり日本人にとって蝉の声は、ほかの虫の声にくらべより純粋な音として聞いているということになる。音としての独立性が高いそうです。

 

 

 

【仲寒蝉】

寒蝉さんは1957年、大阪市生まれ。信州大医学部を卒業後、循環器系の内科医として働きつつ俳人としても活躍。これまでに登場した新聞記事などによると、39歳のころ、知らない分野にチャレンジしてみたいと俳句を始めたのだとか。

2005年には角川俳句賞を受賞。選考委員を務めた俳人正木ゆう子さんは「観念的な想像の世界の句と実を詠んだ句が両方ある。楽しさ、医師という職業からの深み、古典への造詣、社会詠を兼ね備えた俳人像を期待したい」と評しています。

2015年、第二句集『巨石文明』で芸術選奨新人賞を受賞。

「港」「里」「群青」同人。長野県佐久市在住。

 

 

 

今日は何の日

仏壇の日 

毎月27日は仏壇の日です。

全日本宗教用具協同組合が制定しました。

当初は3月27日のみでしたが、毎月に拡大されました。

 

 

寅さんの日 

1969(昭和44)年、山田洋次監督・渥美清主演の映画『男はつらいよ』シリーズの第1作が公開されました。

「フーテンの寅」が最初に登場したのはテレビドラマで、この時は最終回で寅さんは死亡しました。

しかし、あまりの反響の大きさのため映画で復活し、以来48作にも及ぶ世界最長の長編シリーズとなりました。

 

 

 

主な出来事

1783年 水素ガス利用の気球初飛行

1957年 東海村原子炉で初の原子の火

 

 

 

827日が誕生日の主な有名人

1770年 ヘーゲル(哲学)

1896年 宮沢賢治(詩人・童話作家)

1910年 マザー・テレサ(宗教家)

1925年 丸谷才一(作家)

1926年 山岡久乃(女優)

1928年 下村脩(化学・ノーベル賞受賞)

1929年 アラファト(PLO議長)

1941年 藤竜也(俳優)

1947年 田中星児(歌手)

1950年 池沢さとし(漫画家)

1959年 渡辺絵美(スケート・タレント)

1969年 渡辺鐘(世界のナベアツ・タレント)

1982年 山下穂尊(いきものがかり・ミュージシャン)

1991年 大高力也(タレント)

 

 

 

以下の図書、ホームページを参考、引用しています。

(合本俳句歳時記  第四版  角川学芸出版)

 

(カラー図説  日本大歳時記  講談社)

(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)

( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )

(ウイキペディア)

575筆まか勢)

(俳句のサロン)

    (一般社団法人日本記念日協会)