ここ数年で急に人気の場所になった武蔵小杉ですが、今回の台風で一帯が冠水が起こった様です。
この武蔵小杉には、最近大量のタワーマンションが建設されています。
今回はそのタワーマンションの地下にある機械室にも浸水して停電によるエレベーターその他への影響、地下駐車場に止められていた住民所有の高級外車が悲惨にも水没してしまう状況も起きた様です。
更に、JR武蔵小杉駅の新南口改札が浸水により改札機が水没してしまい、ただでさも、ここ最近はタワーマンションの乱立による人口増加に伴う駅利用者で混雑が話題になっていましたが、今回は物凄い人が集中して長者の列となったニュースも流れています。
今回の台風19号では、河川に隣接する地区には、多くの被害が及んでいます。
ですが、考えてみると都心部では、ここ最近は臨海地区などにおいてタワーマンションの乱立が目立っています。
何故に初めから、埋立地という地盤も弱く水害の可能性が高い場所にタワーマンションという、多くの人間が住む住居を建てるのでしょうか?。
確かに、ベイサイド・リバーサイドというエリアは、通常時であれば非常に景観も良くて、住むには高級感も得られるのでしょうが、昨今のこのタワーマンションの海沿い・川沿いでの乱立には安全面でのリスクを感じています。
高い建物といえば、現在の都庁もある西新宿の高層ビル街ですが、あそこは昔から住友三角ビル、野村ビル、三井ビルなどの多くの超高層オフィスビルが建ち並び、近年でも新宿マインズタワー、アイルランドタワー、グリーンタワー、etc・・と、正に高層ビル群として存在しています。
あの西新宿高層ビル群の一帯は、実は高層ビルが立ち並ぶ前は、東京都の浄水場施設だったのです。
この西新宿の高層ビル群も、実は地盤的に考えると浄水所跡という事で決して足場の良い土地とは言えない場所に高層ビルが建って行ったのです。
西新宿においては、何故高層ビルでしかもオフィスビルばかりが、地盤の脆弱な地に立ち並んだのかというと・・
通常は建物の基礎工事をする場合は安全の為に、その強度を保つ為に地下何メートルまで薬液注入などをして、地盤を固めて基礎を打ち込むように。
という決まりがあります。
そして、今から40年程度前に西新新宿の浄水所の跡地に建物を建てて、有効活用しようという案から建物が建てられだしました。
※都市開発に伴い、色々な計画、問題が当時はあったようですが、財閥系企業が誘致して実現の運びになりました。
すると通常より浄水所跡地で脆弱な地盤の為に、基礎を打ち込み、地盤の強度を薬液により固める、という事に対する、長さや量が大幅に増えました。
これで安全上は問題が無いとしても、この工事費用が莫大になり通常のビルを建てても一戸辺りの、購入費や家賃が高額になる事で、維持する事が経済的に困難になると予想されたのです。
であるならば・・
ついでと言っては何ですが、基礎の打ち込む量を更に深くして安全面の確保さえ出来れば、建物自体の階数を増やして家賃収入を得られるスペースを、ビル一棟で増やして行こうというビルの運営・維持の方向性から、階数を増やして高層ビルになって行きました。
その為にビル自体も住居では無く、安定した家賃支払いが見込まれる事務所、事業所を入居させるオフィスビルになったと言われています。
ですから西新宿においては
◎地盤が悪いので安全の為に基礎を深くする
↓
◎工賃がかかり、そこを回収する為に階数を増やす。
↓
◎高層ビルになった。
↓
◎賃貸し料と入居者の関係から、オフィスビルになる。
という経緯で高層ビルが立ち並び、日本一のオフィス街になった訳です。
地盤がが悪いからこそ高層ビルになったという、不思議なお話ですね。
そして、ここがポイントですが地盤は悪くても、周りに海や川がある様な災害の危険性が無かった事が大きい所です。
昨今のタワーマンションは、個人の富裕層向けに景観としての高級感などを売りにして、リバーサイドや、ベイサイドに建てられています。
また、湾岸地区のタワーマンションは、災害が無くても既に飽和状態となっていて、オリンピックを境にして、現入居者の入れ替わりや、空き家が増えるとの予想が立っています。
30年後は、ビルの入居者数に見合う管理費ではメンテナンスも立ち行かず、タワーマンション故の入居者数の多さが災いしてスラム化するとも心配されています。
こう考えると、今回の台風19号の影響で水害に対する不安も加わり急速に、タワーマンションやベイサイド・リバーサイド地区のブランド力の低下が起きそうですね。