濾した液を体に戻したのだが
次の日体重を測ると12キロ減っていた。
1日に12キロ減る経験をした人はそういないだろう。
鏡には別人になった僕がいた。
次の日になっても横腹からの出血は
まだ少し続いており
その処置にまた時間がかかったが
概ね気分がいい。
友達も見舞いに来てくれて久しぶりに
病室以外「フリールーム」で笑って過ごせた。
まだ体が慣れておらず、肺も胃も縮んだままなのだろう。
咳もでるし、食事もそこまで食べれなかった。
その日の夜、久々にどこも痛くなく
自由な寝返りを楽しんでいると
思いもよらぬものがやって来た。
移植手術への恐怖だ。
それまで、痛さ、苦しさ、ダルさなんかで
それどころじゃなかったが
それがなくなると突然やってきた。
この手術を超えないとどうにもならないのだけれど。