このブログは毎月更新です。内容は闘病記(私が脳梗塞を発症してからの私の手記と妻の手記を掲載)と旅行記(私が病気になってから車いすで旅行したもの)を毎月交互に掲載したものです。また不定期でデイサービス小景(私が通っているデイサービスの面白い出来事やキャラクターを紹介したもの)を掲載しています。旅行記は障がい者(車いす使用者)用観光モデルコースともなっており、闘病記は発病からの経過を記録したものです。障がい者の方や闘病されている方の参考になれば幸いです。もちろん健常者の方にも楽しんでいただけるよう工夫しました。この国が障害者でも自由に旅行できる国であって欲しいと思い、ブログにしました。

 

 

このブログ(闘病記)を読むに当たっての留意点

 

 

 

●このブログ(闘病記)の中で夫婦の手記が混じっているため

 私の手記-太文字

 妻の手記-普通のサイズ

 とし書体を替えて、一目でわかるようにした

●文中によく出てくる略語の意味は次の通りである

 ST[speech therapy(therapist)]:言語療法(言語聴覚士)

 PT[physical therapy(therapist)]:理学療法(士)

 ОT[occupationn  therapy(therapist)]:作業療法(士)

 

 

               目次

    第1章・・・・・・発病してS病院に入院

 

    第2章・・・・・Kリハビリセンターに転院

    第3章・・・・・Мリハビリ病院に転院

    第4章・・・・・K医療センター

    第5章・・・・・再びセンターへ

    第6章・・・・・自宅での療養生活

    第7章・・・・・発症後、初めての旅行

 

 

第5章・・・・・再びセンターへ(2005年2月~2005年8月)

 

 

前回バリアフリーの新居に外泊するシーンを書きましたが、その家に住んで20年弱、今回は住んでみて現在のバリアフリーの住宅での反省点や留意点について書いておきたいと思います。従って手記ではなく、新しく書き足したものです。バリアフリーの住宅はいずれ住宅のスタンダードになると思いますので、参考になれば幸いです。

 

 

・間取り―1階に水回り・ダイニングキッチン・リビング・寝室を配置、1階ですべて用が足りるようにした。車いすの私としては非常にありがたい。

・段差—バリアフリーなので、当然段差をなくしたが、玄関の敷居のみは段差があり、18,5cmとやや高く、もっと低ければ良かったと思っている。現在は縦の手すりとレンタルの折り畳みスロープを使うのと併用している。因みに私は外用の車いすと家専用の車いすと変えているので、玄関で車いすを乗り換えると同時に、外用の靴から家専用の上履きに履き替えている。

・水回り・トイレー水回り特にトイレは寝室に近い方がいい。私は特に下剤を使っているのでなおさらです。洗濯場所も同様です。トイレにはL字の手すりが便利で(どちらの麻痺かによって取り付け位置が違うので注意が必要)、広さも車いすと介助者が入れるほど広ければ理想的だが、なかなかスペースをとるのは難しいので、できれば入り口だけは広い方がいい。当然ながら洗面台の下には棚などは無く(排水管むき出し)、車いすが入れるスペースがあること。

・手すり―廊下に手すりを設けており、リハビリにも活用している。その他浴室・洗面脱衣所・トイレ・玄関には縦やL字の手すりを設置。ただ2階への階段では右側に手すりがあり(私は右麻痺)使えないので、2階には上がれないので、段差のリハビリにはオアシスという公共の建物の階段を利用している。

・戸—戸は車いすなら引き戸が絶対。1か所だけスペース上、開き戸だが、非常に開けずらく締められない。

・冷暖房—冷暖房はエアコンで大丈夫と思っていたけど、エアコンはかなり乾燥する。地熱や太陽光など自然エネルギーも含め最初に家全体の温度調節をどうするかを考えた方がいい。またトイレ・浴室は暖房がなくても大丈夫と思っていたけど、やはりヒートショックの面からも必要だと思う。

・湿度調節—私は加湿器も使っているが、加湿器1台では部屋全体の加湿は無理。特に私は気管切開しているので、湿度調節には気を使っており、加湿器を使うのと併用し、洗濯物は寝室で干すようにしている。

・コンセントー家電製品は増える。また車いすの動線(結構幅をとる)や車いすに座って手の届く範囲は限られるので、それらを最初に考慮しないでコンセントの設置場所や個数を決めると(たこ足配線が増えてしまった)大変。

・ブレーカーー家電製品は増えるし、どの部屋で何を使うか考えてブレーカーの容量は余裕をもって設定したい。

・テレビー寛ぎに欠かせないが、私はビデオに録画して見るようにしている。こうすると内容によっては早送りにもできるし、削除も可能。録画編集もすぐにできる。またテレビを回転台に乗せているので、ベッドで横になっても見られる。その場合どちらに麻痺があるかによって、テレビの位置も変わってくるので注意が必要。

レンタルー福祉用品専門のレンタル会社があるので、メンテナンスも含めうまく使った方がいい。どれを買っておくか、どれをレンタルするかうまく組み合わせて使えるよう商品を揃える前にレンタル会社に相談するといい。

・寝室—1日のうち特に寝室で過ごすことが多いので、配置や機能をよく考えた方がいい。物(家具や家電製品を含め)は増えるので収納や配置(コンセントの配置も含め)に注意が必要。今までは自分がやっていたが、もうできないので変更が効かない。現在私の寝室にある家具は部屋の入り口を中心に、一番奥の真ん中に収納兼ビデオ・テレビ台の机2つ、左にレンタルの電動ベッド、右に妻のベッド。入口近くの左に本棚3つと家具の棚、右にCD・DVDケース、壁に作り付けの棚、パソコンを置いてワークスペースにしている机である。このうち家具の棚は収納のため入れたが、そのため車いすでクローゼットに行けなくなった。また家電製品は蛍光灯・電動ベッド・テレビ・ビデオ・エアコン・ヒーター・電話の子機・インターホン(家族に用がある時呼ぶための物)。不定期で加湿器・吸引機・吸入器・外付けハードデスク・デジカメの充電である。これらも車いすの動線や手の届く範囲を考えて配置する必要がある。例えば本棚は6段あるが、うち下の1段と上2段は手が届かないし、壁に作り付けの棚は1段しか手が届かない。

・パソコンー私は右麻痺なので字が書けない。従って私にはパソコンは無くてはならないものである。この他ネットショッピング・メール・インターネット・SNSなど使用頻度は高い。机の一つをパソコンの専用台とし、ワークスぺ―スとして使っている。この他新聞を見たり、本を広げたり資料を見たりするにはもう少しスペースが欲しいところである。

・玄関の鍵・スイッチ類—玄関の鍵は鍵穴に鍵をさすものではなく、遠隔操作の鍵(車の電子キーみたいな)が便利。またスイッチ類は車いすから手の届く高さにしたい。

・幅・スペースー廊下や部屋の出入り口・部屋の中など当然、車いすで動ける幅やスペースの確保が前提

以上一般的なバリアフリーについて特に私の場合について述べてきたが、誰のためか(性別・親子の別など)、どこまでやるか、障がいがある場合(各々症状が異なる)など、多少違ってくるので注意が必要と思われる。

 

 

来月(5月)は「病気以前に行ったお薦めの旅行先シリーズ」日帰り編③を掲載する予定です。この続きは6月初めに闘病記第61回を掲載する予定です。