私が音楽鑑賞を趣味の一つにして楽しむようになったのは、中学3年あたり、つまり1975年頃に始まる。
当初、日本ではフォークソングや歌謡曲という位置づけの音楽が主流だったが、そちらはあまり関心が湧かなかった。
それよりもFM小僧だった同級生の影響で、洋楽に一気にハマる。
その後日本の音楽も海外の影響を受け始めて、少しづつ聴く機会も増えていったし、特定のミュージシャンを追いかけるようになった。
大学受験を控えた頃はもっぱらラジオを聴く時間も増えて、特に「山下達郎」の「RIDE ON TIME』で日本のシティポップに目覚めた。
シティ・ポップ・アーティストの多くはコンサート公演が少なく、テレビなどメディアにも出ず専らレコード制作に重点を置いていた。
よって全国区のアーティストは比較的少なく、当時、世に名前を知らしめたのは、大瀧詠一や稲垣潤一などごく一部でした。
接点はラジオ番組や専門雑誌が主で、お気に入りの音楽が見つかると、そこから芋ほり的に漁っていた。
当然、学校で彼らの作品を評価し合うという事もほとんど無く、より良い名曲を求めてレンタルショップや大きなレコード店を巡るのが楽しかった。
1980年代前半にシティ・ポップ派のアルバムジャケットは"海"や"青空"、"夏"や"リゾート"といったイメージが定着していきましたね。
特に原色を大胆に配色した「ハートカクテル」の原作者「わたせせいぞう」のイラストはこの頃、あちらこちらで見かける様になった。
ちょうどニューミュージック界でも「TUBE」や「織田哲郎」や「杉山清貴」など夏専門のアーティストが増えてきて、当時の若者の新しいジャンルとしてにカテゴライズされましたね。
この傾向はラテン気質な私にとっては追い風で、社会人になってからは東京勤務となった事と相まって、湘南海岸や九十九里浜へ出掛けてウォークマンで聴き入ってました。
高度成長期にあって仕事は残業続き、夜は接待付き合いで疲れ切った心身を癒す、都市生活からの逃避という役割を担ってくれた様に思います。
まあ、のんびりと何も考えずに自然の中に身を置き、ゆったりと時間を過ごすという贅沢な時間でした。
出掛ける予定がなくても、朝起きた時に快晴だったら車のエンジンをかけて、海を目指していたのを思い出します。
何も考えずに聴き流せる、好きな音楽だけをカセットテープに詰めて、エンドレス再生をして聴いていました。
■1979年『アメリカンフィーリング』by サーカス
■1980年『Let's Kiss The Sun』by 山下達郎
■1981年『Summer Vacation』by 村田和人 with 竹内まりや
■1987年『まるで天使のように』by 岩崎元是&WINDY
■1987年『夢が過ぎても』by 安部恭弘
■1989年『1969の片想い』by 稲垣潤一
■1991年『ほっとけないよ』 by 楠瀬誠志郎
30年以上も前の音楽ですが、今なお懐かしく聴けるシティポップ鑑賞はあの時の自身を呼び戻してくれます。
今も好きなメロディ、好きな音楽感覚は60歳を過ぎた今も変わっておらず、リフレッシュには欠かせない存在です。
そして、何よりも今なお頑張ってくれているアーティストの歌う姿に元気をもらうのです。
感謝^^
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