ラオス在住のKARNAさんの「ラオスに生活困窮者はいない…?」という投稿を読んで、自分の経験談をシェアしてみようと思いました。

異文化を『比較』する形になりますが、どの文化が正しいとか間違っているとかいうつもりは毛頭ありません。ただ同じ様な状況でも文化によって反応が「異なる」という例としてシェアしたいと思います。

 

ドイツへ学会で行った時の話です。朝、会場の大学に向かうバスに乗っていた時、途中で赤ちゃんを連れた学生さんが乗ってきました。赤ちゃんを抱っこしたまま必死にポケットに手を突っ込んでお金を探していたんですが、結局運賃が足りなくて困っていました。しかし、運転手さんも何も言わず、満員だったバスの乗客も無言。ドイツ語が皆無の私ですが、勇気を振り絞り 'Bitte' とだけ言って、その学生さんにお金を手渡しました。

 

アメリカでも同じような場面に遭遇したことは何度もあります。大都市だとわかりませんが、乗客の誰かが助けてくれることが多いと思います。ですから、私もドイツで「アメリカ風に」学生さんを助けたんだと思います。

 

その時はドイツは『厳しい』国だなと一瞬思いましたが、これは個人への責任感の位置付けが違うだけなのではと思い出しました。多分、ドイツでは大人がバスに乗る際は運賃を持っていて「然るべき」というのが共通の理解で、運転手さんも他の乗客の人もその学生さんの責任だと捉えたから誰も助けてあげなかったんだと思います。興味深いのは、その学生さん自身も言い訳をして責任を逃れようとする気配は全くなかったことです。

 

もしアメリカで他の乗客が助けてくれなかったら、お金の足りない人は、ほぼ間違えなく、言い訳をしするか運転手さんと交渉すると思います。アメリカでよく言うことですが "It never hurts to ask" (聞いてみないとわからないよ)。