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アメリカの大学で教えていると言うと、よく「すごいですね」とか「夏休みがあっていいですね」といった反応を耳にします。学生たちの中にも、かなりの給料を貰っていると思っている者も多いようで、この職に憧れて大学院を目指す学生も結構います。全てが間違いだとは言いませんが、あまりよく理解されていない職業だと思います。中でも、労働環境(特に給料と夏休み)や tenureという制度にはかなりの誤解があるようです。これらのトピックを幾つかの記事に分けて共有しようと思います。

 

給料

実際に学生の前に立つのは週に2〜3日だったり、1日に2〜3コマしか教えていないので、楽そうな仕事に見えるかもしれません。教えるだけでも、それ以外に準備や採点などかなり時間がかかりますし、教えること以外にも「研究」と「サービス(委員会など)」もしなくては tenure は貰えません。

 

私立大学のことはよくわかりませんが、今の職に着いて20年になりますが、息子の公立高校の先生のほうが給料がいいことが殆どです。もちろん、高校の先生はいい給料をもらうべきではないと言っているのではありません。大学の先生は給料がいいが小中高の先生は給料が安いという誤解が蔓延しているように思われます。大学の先生でも実際にかなりの給料をもらっている人もいますし、小中高の先生でほんとうに少ない給料で頑張っている人がいるのも事実です。しかし、大学の先生は給料がいいという一般化は誤解です。

 

多分、大学の学費が高いので先生の給料もいいはずだと勝手に思い込んでいるのではないかというのが私の持論です。同様に、公立の小中高は基本的に無料ですから、そこで働く先生たちは(必ず)安い給料で働いているという誤解が生まれたのではないかと思います。