何度かご紹介させて頂いていますが服飾評論家・故落合正勝氏は何冊も書籍を出版されています。
「男の服装オシャレの定番」には本当に参考になるようなことが書かれています。
この書籍の中で「エレガントなスリーピースの着用法」という章があってこんなことが書かれていました。
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スリーピースは、衣服の重ねの発想が根幹に存在する。
重ねて、それなりの内衣(ベスト)を覗かせれば、服装を(上品に)整えやすい。
整えるための条件は、分量の多い外衣(上衣)に対し、分量の少ない内衣をどれほど覗かせるかだ。
クラシックなスタイルのベストは、常に定型でなければならない。
ボタンの数は6個、ボタンとボタンの間隔は5センチだ。
2つボタンの上衣の場合は、ベストのボタンを2個、3つボタンの場合は1個から1個半覗かせる。
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なんとも細かい!!
これを実現するにはオーダースーツでなければいけない。
ちょうどベストのボタンが2つ見えるくらいで仕立てたスリーピーススーツ
しかもオーダースーツでも、ちゃんと0.5cm単位で仕様に指示が出来るような縫製工場でなければいけない。
最近のオーダースーツは、名前だけオーダースーツだけど、既製品と変わらないようなオーダースーツも多いので注意したいですね。
本格的なテーラーであれば問題無いです。
スリーピースのスーツでベストの見え方まで細かく指示するような人って今ではいないような気がしますね。
それだけ、細かなこだわりが少なくなって、流行的な感覚で着こなす人が増えたという影響でしょう。
男はここまでのこだわりを持って生きたいですね!