「縮絨」(しゅくじゅう)
一般的にこの工程は、毛織物の仕上げ工程の一つ。水で湿らせて
熱・圧力を加え、長さと幅を縮めて組織を密にすること。
と辞書にもある知られたものです。
ウールは、高級になればなるほど生き物のように感じ、気候や湿度
によって伸び縮みするものです。人間髪の毛が日によってまとまり
感が違うのと同じように。
当然、スーツとして出来上がっているものでも、気温や湿度でサイズ
に若干の差が出ることもあります。
数年前、高級ブランド店でスーツを見ていたら、細番手生地のスーツ
の縫い目がボコボコしていました。50万~60万くらいのスーツです。
イタリアから輸入してきて日本に到着する際に縮んだのでしょうね。
また、バブルの頃イタリアンスーツが登場して人気があった時代に
ショプ店員をしていた人が言っていたことが、高いスーツを購入して
クリーニングに出したら一発でサイズが縮んだと言っていました。
このような事が起こらないように、DoCompanyでは縮絨を行ってから
スーツを仕立てています。
縮絨も良し悪しと言う方もいますが、リスクを考えるとする方がベスト
と言えるでしょうね。
それに、縮絨で生地の光沢や艶が格段にアップして、より高級感が
でる生地もあります。
たまに、その生地の縦糸と横糸のバランスが悪いと縮絨で生地が
波を打ったようになり使い物にならなくなることもあります。それでも
スーツとして仕上がったあとにその現象が見つかるよりも良いので
縮絨は欠かせません。
オーダースーツは、単に生地を縫製するだけではなく、このように
こだわった工程も含まれています。