年刊詩集「詩集ふくい2016」(福井県詩人懇話会・刊)が届いたので、それに寄せたソネット形式の僕の詩、「住所印を洗う」を紹介します。
住所印を洗う
ソネット「住所印」で書いたことだが
詩友 故・織田栄さん作の
住所印を愛用して来た
字は古体字である
それが近ごろ
印影がぼやけるようになった
線がくっついて
鮮明な字にならない
ゴムが崩れてきたのか
作り直すのも大変だろう
印面をよく見ると
インクのカスが詰まっているようだ
印面を食器洗剤で洗って拭くと
きれいな印影が出た