ソネット「濃度」 | 新サスケと短歌と詩

新サスケと短歌と詩

短歌と詩を公開します。

 詩誌「青魚」No.83のソネット8編より、5番めをアップします。


  濃度

     新サスケ


神戸市に四年住んで

(大学はけっきょく中退したのだが)

故郷に帰った

都会に住めなかった理由の一つに


空気の薄さがあるようだ

酸素の量が少ないのだ

車のエンジンなどに使われて

汚染だけが広がる


旧市内の街なかに嫁いだ叔母は

「姉ちゃん ここの空気はおいしいわ」と

よく母に言っていた


山裾の空気の濃いところ

情の濃いところに

その後を生き永らえたか