詩「短詩三ツ」① | 新サスケと短歌と詩

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短歌と詩を公開します。

同人詩誌「螺旋」第58号(1992年3月・発行)より、「短詩三ツ」の初編を載せる。


  短詩三ツ①

    新サスケ


    Ⅰ

路地裏を速足でいく猫

手まりをついている女の子たち

それを立って見守るしかない

ひとりの男の子


風呂の煙突のけむり

吐き出されて ゆっくり消えてゆく


影の波が入り込んでくる

肌涼しくなる