こぐま星座「月」 | 新サスケと短歌と詩

新サスケと短歌と詩

短歌と詩を公開します。

同人詩誌「螺旋」第38号(1985年7月・発行)より、次の作品を紹介する。


  月

    こぐま星座


くぐもった声をあげ

熱い息を吐き合い

群らがってひとつの湿気を共有するものたち

地球にあらわれたときから

ひとつの欠除を

あらわなかたちでひろげ埋めつくそうとして

夏に佇立してきたいのち

ああ

夏はひとつの病

あれは女


地中ではもつれからまる触手が

石片にからまり朽ち木をつかみ

獣骨をかかえ

もとめのたうっているはず

みずがあるのに

どこにもないみずを求めて

みえない渇きに蝕まれて

みずからの重みで溺れてゆく

瀕死の獣のように呻き

震えている

夏草

ああ

あれは嫌

あれをみるのは

どこか欠けたまま

からだだけが

おとなになっていってしまうのを

どうすることもできなくて