同人歌誌「地楡(われもこう)」(A尚計氏・編集)に載せて貰った、短歌旧作も掲載し尽くした。
同人詩誌「螺旋」に発表した詩のうち、第1詩集「みだれた足跡」(このブログのテーマにあり)に入れなかった作品を、掲載してゆきたい。
「螺旋」第17号(1982年1月・発行)より。
葬儀
新サスケ
葬儀を出そう
あなたは老醜を見せて死んだ
若い時分には小町娘と呼ばれた
とは かつてのあなたの自慢話
病みはじめたあなたに
私が看病したこともある
日差し明るい中で
あなたは死んだ
葬儀を出そう
私の涙を最後の贈り物にして
一九八一年 秋
(注 この詩の発表当時、母は健在であった。しかし、僕が母を嫌っていた訳ではない)。