こぐま星座「凶神 まがつかみ」 | 新サスケと短歌と詩

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短歌と詩を公開します。

こぐま星座さんの詩集「夜の食(お)す国」より、次の作品を紹介する。


  凶神 まがつかみ

    こぐま星座


おとつい たんぼの草かったばんげあたりから

せがやめてせがやめてまことねられんもんやで

かじぇでもひいたらおおごっちゃとおもて

きぃはっていたんにゃが

よんべのゆめはぁやっぱかじぇのかみさんやったんじゃわ


ここらかいちでみたこともねえんてな

ぼろぼろのおぞぉいかっこしたおとこがぁ

こんのちのまえのはたけのきゅうりんだなのかげからぁ

おとろしいめでうらんとこのはいりとをうかがっているんにぇの

うらぁどまぃはだしでおりて

はいりとのうらぃ

つんばりしようとおもうんにゃが

あわてているもんで

なかなか ばいがうまこはまらんと

わやくさしてるまにおとこはするっとはいってきてもた


ちかくでみると

いっぺんもかおあろうたことねんてな

きったねえかおでのぅ

「のすっとじゃあ のすっとじゃあ」って

いっけえこえでよばりながら

うらぁほいつのからだをおしかやすんやけど

なんやしらん

ちからがでてこんのじぅぃ


おめらによう ゆうとく

めいめい わがからだじゃあきぃつけんならん

かじぇのかみさんがはいってきたからにゃあ

かぞくぜんいんがねこむまでかじぇのかみさんは

こんのちからでていかん

うちじゅうのもんがみんなねこんでもたら

ままのあげさげもままならんよんなってまう

ほれこそむらじゅうのわらいもんじゃわ

たのむこっちゃで

ひとのわらいもんだけにはなるなやぁ おめら