吉井勇「洛外」吉井勇の歌集「祇園歌集」より、「洛外」の3首を載せる。 嵐山来(き)は来つれども君あらぬこの寂しさをいかにすべけむ 落柿舎に来てふと思ふ鎌倉の虚子の庵(いほり)は何と云ふ名ぞ しめやかに時雨の過ぐる音聴こゆ嵯峨はもさびし君とゆけども 底本は、岩波文庫「吉井勇歌集」、昭和40年10刷。