12月3日の秩父夜祭にはフィルムカメラを持ってゆきました。
私のフィルムカメラはCanon FTといいます。
メーカーのサイトによれば、発売されたのは1966年、昭和41年だそうです。
このカメラには「オート」と呼べる機能は一つもついていません。
焦点を合わせるのも、露出を決めるのもぜ~んぶ自分です。
ファインダーを覗いて、ピントを合わせたいところにレンズを向けてレンズについている輪を回してピントを合わせます。
老眼の目にはなかなか厳しいものがあります。
ファインダーを覗くと右側に小さな丸と線が見えます。
丸は動きませんが、線はレンズについているもう一つの輪を回すと上下に動きます。
この線が丸の中に入ると露出が適性ということです。
では、ピント(焦点)を合わせて、棒を丸の中に入れればそれでいいかというと、そうではありません。
山車のように動くものを撮ろうとすると、動きに合わせて、ピントを調節する輪を回しながら、ココ!というときにシャッターを押します。
デジタルだったらカメラが動くものを追いかけてくれて自動的にピントを合わせてくれるのにねぇ。
ピントを合わせるのはなかなか大変です。
ただ、ピントが合う範囲を前後に広げるということもできます。
そうすれば、その範囲内にあるものにはピントが合います。
動くものを撮るときにはこの機能を使うことがあります。
しかし、その範囲を広げるためにはシャッター速度を遅くする必要があります。
つまり、シャッターが開いている時間を長くするのです。
早いシャッター速度だとパシャッと鋭い音がしますが、遅くするとバーッシャッとだるい音になります。
シャッターが開いている間にカメラが動くと写真がぶれてしまいます。
ということはシャッター速度を遅くしすぎると三脚でも使わない限り、ぶれる危険性が高くなります。
ですので、手で持っていてもぶれないシャッター速度にしておく必要があります。
そうすると、ピントが合う範囲の広さには限界があります。
また、例えば、レンズを空に向けて露出を決めると、手前のものはすべて真っ黒になります。
明るい空を撮るための光の量は少しで済みますが、手前にあるものを撮るためにはたくさんの光が必要です。
手前にあるものが綺麗に撮れるように光を入れると、今度は空を写すには光の量が多すぎるので、空の色は真っ白になります。
ですので、ファインダーに見える被写体のどの色を適正に出したいかを決めて、そこにレンズを向けて、先ほどの線が丸の中に入るようにレンズの輪を回して露出を決めなくてはなりません。
なんてことを考えながらピントを合わせ、露出を考えていると、山車は目の前を通り過ぎていってしまいます。
夜祭に昼間に行ったのはこういうことも理由の一つです。
夜ならストロボを使えばいいのでは?と思われますよね。
ところが、これがそう簡単にはいかないんです。
ま、長くなるのでこれについてはまたいつか。
フィルムカメラ時代のスポーツ写真とか報道写真とか、どうやって撮ってたんだろうなぁ。