東京都内に4ヶ所ある定席寄席の一つ。
定席は「じょうせき」と読みます。
大晦日を除く毎日、落語以外にも漫才、漫談、大神楽、奇術などが15分から20分ごとに入れ替わり立ち替わり演じられます。
この末廣亭は約300席で、畳の桟敷席もある唯一の寄席で、特別興行以外は昼夜入れ替えなしでなので、その気になれば12時から20時半まで一般3,000円で楽しむことができます。
もう数十年前のことですが、この末廣亭でのこと。
トリの一つ前の演目が終わった途端に10人くらいのお客さんがゾロゾロと出てゆきました。
「え?あと一人いるのに」と不思議に思いました。
しかし、トリの落語を見てその理由が分かりました。
おっそろしくつまらなかったのです。
出て行ったのはそれを知っている通人たちだったのでしょう。
今、そういうことを目にすることがあるでしょうか?
おそらくないでしょう。
どんなにつまらなくても、下手でも最後まで見て「あげる」。
学生だろうがプロだろうが。
それが礼儀と考えられているから。
私が見てきたコンサートで「アンコール」がなかったことはありません。
アマチュアならいいでしょう。
形ばかりの「アンコール」でその気にさせてあげるのはお互い様なのかもしれません。
しかし、プロにとってはどうなのでしょう?
大したことないのに「お客さんに喜んでもらえた」「受けた」と勘違いしてしまうとしたら。
「つまんね〜」と思ってさっさと席を立っても、私以外のお客さんは「優しく」「辛抱強く」拍手をしながら「アンコール」を待っています。
こうしてすぐ感情を表に出すから人に嫌がられるんでしょうね…(笑