以前はどう頑張ってもできなかったこと。
職場の彼女と親しくなってからはできるようになった。
彼女のことを思うと、できる。
喫茶店で話しているときの彼女。
その笑顔。
思わず触れたくなるようなすべすべした頬。
京女らしい品のある公家顔。
艶やかな声。
細い指とその先のネイル。
職場での彼女。
背筋を伸ばして滑らかに歩く凛とした姿。
パソコンに向かっている横顔。
すべてが私を包む。
優しく、温かく。
そんな彼女を思い浮かべると、できてしまう。
ほんの数分で果ててしまう。
愛おしい。
叶わぬ夢だけど、私だけの彼女でいて欲しい。
いつまでもそばにいて欲しい。
私はいったいどうしてしまったのか。