入院してもう6週間を超えた。

気が滅入り、この先のことが不安で気が変になりそうなとこがある。

そんなときに考えるのが「女性」たちのこと。
そうしているときだけ気が紛れる。

高級店の元ソープ嬢。
知り合ってもう8年目なのに、未だに新鮮な気持ちになる。
以前より美しさが増しているのは、子育てなどの苦労を乗り越えてきているからだろう。
ただ綺麗なだけではないところにますます惹かれている。
「元プロ」なだけあって、ベッドでも私を歓ばせてくれる。
それどころか、お互いにますます深く濃くなる営み。
「客」を歓ばせるのではなく、彼女自身も歓んでくれている。

元職場の女性。
相変わらず体の関係はないが、話をしているだけでいつも豊かで落ち着いた気持ちになる。
「安心感」とでもいうのだろうか。
この入院期間中、すでに2回も会いに来てくれた。
話が尽きない。
そこにいてくれるだけで落ち着く。

そして、最近、仲が深まっているというか、私の思いが変わってきている女性がいる。
こちらも職場の女性。
隣の席で二人三脚で仕事をしている。
とてもよく仕事ができる。
テキパキとミスなく次から次へと仕事を片付ける。
察しがよく、私が言う前に先回りして動いてくれる。
こんなに気持ちよい仕事仲間は初めて。
昼休みには楽しくおしゃべりをする。

彼女には保育園に通う子供がいる。
とても可愛がっている。
だから、彼女と体の関係を持つことはないだろう。

今の会社には私より少し後に入ってきた。
だからもう6年になるが、この半年間で、彼女を単なる仕事仲間ではなく、「女性」として見るようになってきている。
きっかけは、今年のバレンタインデー。
お菓子をくれた。
とてもおしゃれなお菓子。
「義理チョコ」に違いないのだが、嬉しかった。
もちろん、翌月にはお返しをした。

いつからか、業務連絡が主だったLINEで仕事以外の話をするようになった。
彼女の了解のもとに、私は彼女を苗字ではなく下の名前で呼ぶようになった。
ある日、LINEにこんなことを書いてきてくれた。

「○○さん(私)のこと、会社の同僚というか先輩というか人生の先輩だとも思っていますが、勝手に大切なお友達だとも思っています…!」

30歳以上も年下の女性がこんなふうに思ってくれているなんて。

職場が病院のすぐ近くであることもあり、入院して間もなく昼休みにお見舞いに来てくれた。
その後、もう一度来てくれた。
「昼休みだとゆっくりできないので」と言って、彼女の仕事が終わってから。
1時間くらいおしゃべりした。
そのときに「これで私を思い出してください」と言ってお菓子をくれた。

傍から見ればなんということもないことばかりだろうが、70歳に手が届こうという私にはとても嬉しいこと。


こんなふうに彼女たちのことや、実現することのない、二人の女性との交わりという妄想を抱きながら、耐えている入院生活です。

早く会いたい…