大学時代は、男性だけのクラブ活動をしていたこともあり、4年間を通じて女性友達はいませんでしたし、他人との性的な関係も一切ありませんでした。そのクラブ活動の友達とはお互いの好きな女性の話はしていましたが、卑猥な話には加わらず、自分はそういうことに関心がないことを装っていました。性的なことは自分の弱みを見せることになると信じているためです。そのため、私は「堅物」という印象を持たれています。これは今も変わっていません。しかし、心の中では人一倍、性への好奇心や欲望が強いのです。大学生時代にはもうセックスがどういうことをするのかを、雑誌などで知っていたので、大学内で見た綺麗な女性との交わりを想像しながらマスターベーションをしていました。

 

社会人になり、初めてヌード劇場に行きました。それまで写真でしか見たことのない裸の女性を生で見たいという思いから、初月給をもらってその帰りに早速行きました。まだ給与が封筒に入れて現物支給される時代でした。封筒からお金を出す手が緊張と興奮で震えていました。しかし、やはり恥ずかしかったので後ろの方の席で見ました。舞台の上で、ヌード嬢が、横たわった男性の射精を手伝う場面が最も印象に残っています。家でも同じやり方でマスターベーションをしました。それまでとは違った刺激があり気持ちが良かったです。

 

26歳で今の妻と結婚。婚前交渉はありましたが、二人とも他の異性との性的経験のないまま結婚しました。好きになった人と常に一緒にいられるという喜びに加えて、「これで毎日でもセックスができる」という気持ちも強く持ちました。しかし、妻とのセックスは期待したほどのものではなく、とても淡白なものでした。以来、「セックスとはそんなものか」と思っていました。子供は男女一人ずつもうけましたが、何か物足りなさを感じ、隠れてマスターベーションを続けていました。その方がよほど気持ち良かったからです。

 

30歳の頃、職場の女性と親しくなり、家が同じ方向だったこともあり、毎日のように一緒に帰っていました。話をしているのが妻と話すよりもはるかに楽しく、精神的にはかなり傾いていましたが、体の関係には至りませんでした。私が別の事業所へ異動となったため、この女性との関係はそれを機に終わりましたが、もしあのまま続いていたら体の関係を持つのは時間の問題だったと思います。妻とのセックス中にもこの女性のことが頭にあり、危うくその女性の名前を呼びそうになったこともありました。体の関係はなかったものの、この女性とのことを妻に知られてしまい、妻を傷つけてしまいました。