NHK 古楽の楽しみ 収録演奏会 | 平尾雅子 Masako Hirao のブログ

NHK 古楽の楽しみ 収録演奏会

一昨日、1月25日に仙台の近く古川の中新田バッハホールで、NHKFMの「古楽の楽しみ」の収録演奏会がありました。大塚直哉さんのわかりやすい解説を挟みながら、ヴァイオリンの桐山建志さんと私、そして大塚さんの3人で演奏しました。
こちらのホールはオルガン製作家須藤さん作、音色のとても美しい大オルガンがあります。また仙台の木村さんもいつもの素晴らしいチェンバロをお持ちくださり、それらを大塚さんが演奏なさいました。

55分の番組2本分の収録で、前半はドイツバロック。曲目は、カンタータ147番「バッハの主よ、人の望みの喜びよ」をヴァイオリンとガンバとオルガンで、次にオルガンソロで幻想曲BWV572、そこでバロックヴァイオリンの紹介、モダン楽器との違いの説明があり、桐山さんがバロック楽器で無伴奏パルティータ3番BWV1006のガヴォット、モダン楽器でオルガンの通奏低音と共にヘンデルのソナタニ長調の1楽章を演奏なさいました。そのあと今度は私が出て、ガンバの紹介、ヴァイオリン(ブラッチョ)族とガンバ族の相違点をご説明し、バッハ父子とアーベル父子の関係などもお話ししました。演奏は、アーベル(子)のニ短調の無伴奏小品を2曲(アルペジョ、アレグロ)と、チェンバロと共にバッハ(父)のガンバとチェンバロのためのソナタ3番ト短調BWV1029の1, 2楽章。そして最後に3人でヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ(初稿)よりカンタービレを演奏しました。
バッハのガンバソナタト短調は1,2楽章を演奏しましたが、時間の関係で、放送では1楽章だけになるかもしれないそうです。

後半はフランスバロックで、まず大塚さんがチェンバロでダカンのカッコウを演奏され、続いて3人でマレの「サン・ジュヌヴィエーヴ教会の鐘の音」、私と大塚さんでマレの曲集3巻からイ短調のプレリュードとクーラントとグラン・バレ、そしてルクレールのヴァイオリンソナタ(ガンバはオブリガート声部で、実際はトリオソナタ)ニ長調の1,4楽章、最後にラモの クラヴサン・コンセール4番のパントマイムを弾きました。かなりガンバの比重の重いプログラムでした。

曲間には大塚さんとのトークもあり、いつもの演奏会とは勝手が全然違っていて、楽しく良い経験になりましたが緊張しました。午前中のゲネプロから二つの本番、そして取り直しの曲を収録して、全部終わったのは7時を過ぎていました。私は曲数が多かったこともあり、かなりタフでハードな一日でした。新幹線の中でカキフライ弁当を食べ、東京からはタクシーで、真夜中に帰宅しました。

バッハホールには大勢のNHKスタッフの方々がいらっしゃいましたが、皆さんとてもきめ細やかでご親切にしていただきました。松脂を舞台裏の暗がりで落としてしまい困っていたら、皆さんで探してくださり、なんと本番中に裏で見つけてくださいました!

ハガキで応募してくださったお客様で700人の会場はほとんどいっぱいでしたが、中には京都やなんと四国の松山からいらしてくださった方もいて、本当に嬉しかったです!
ガンバのことをもっともっと多くの方々に知っていただきたいですし、ラジオで全国の方々にお聴きいただけるのはとてもとても光栄です。
演奏会なのでCDのような無傷というわけにはいかないのですが、繋ぎ編集がない分臨場感が伝わればいいなと思います。

さて、2月19,20日(朝6時)の放送ではどんなふうに聴こえるか、ドキドキです。

ゲネプロ 桐山さん、大塚さんと私



チェンバロ製作家の木村雅雄さんを交えて

          1月27日記