「たかが、世界の終わり」を新宿武蔵野館で見てきた。
始終、しゃべり続ける家族。
自殺を決断し、12年ぶりに実家に帰ってくる主人公の目の前には、家族がそれぞれ、すれ違いばかりの言動をしてしまう。
愛しているのだけれど、愛されたいのに、これでもかっていうほどに、分かり合えない。
結局、彼は、自殺してしまうのか?
わかってくれないけれど、わかりえあえないのが、確実に分かったら?
 
久しぶりに、映画館を出た後も、気持ちはもみくちゃに。
 
監督は、6歳で子役でデビューしており、若干25歳で監督・脚本した『Mommy/マミー』で遂にカンヌ国際映画祭の、しかも、コンペで審査員特別賞を受賞、
この映画で、カンヌでグランプリだそうです。すごい天才。どうしてこの年で、この悲しさを描けるのか。
 
私は、弟と、姉がいるのだけれど、兄弟がここまでの絶望を私と家族に対して感じていて自殺したら、どうするだろう。きっと、絶望感でもんどりうってしまう、ぞっとする。本当に怖くなった。

 
 エンディングの曲でね、あれは誰でしょう?誰かおしえてほしいです。
「自分のこの絶望は、神だけは知っている」というの。

誰にも理解してもらえない、辛いことがあった時に、
「誰もわかりゃしないんだな、私だけが、神様だけが理解して見ていてくれるのだな」と達観できた時があったけど・・・。
私の大好きな家族にも、親戚のあの人にも、親友の心の中にも、私が理解できなかったり、入れない闇があって、こんな想いをしているなら、否定しないでそのまま受けとめてあげれば良かったんだな。
それがすごく難しくて、そして、人生とはそういうもの。
だれでもが楽しめる映画ではないかもしれないけれど、世界が絶賛するのも、納得。
世界中の人が、必要としてる部分を描いているんだね。上映に間に合ってよかった・・・あんぐりうさぎ