H.I.U.をクビになった話 | まさきせいの奇縁まんだらだら

まさきせいの奇縁まんだらだら

原因不明の「声が出ない症候群」に見舞われ、声の仕事ができない中で、人と出会い、本と出会い、言葉と出会い、不思議と出会い…

瀬戸内寂聴さんの『奇縁まんだら』というご本を真似て、私の「ご縁」を書いてみようと思います。

今年(2019)の4月、音声コードプロジェクトの試行錯誤が始まってから、すでに2年近くが経とうとしていた。もういつでも世に出せるつもりだったけど、きっかけが全くつかめない。特に、アプリ開発の方が全く動いてこない。お金も得られない。
 
クラウドファンディングを考えたけど、お金を集められてるプロジェクトはどれも立派なホームページが準備されていて、今さら集める必要あるの?というほど、すでに立派。
 
それでまずは、立派なホームページの準備からってことだけど、うちのスタジオのホームページもデモ用も、全て私がHTML&CSSで書いている。白紙からでも、イメージさえ浮かべば、本を片手に作れるけど、イメージが全く湧かない。
 
私は、高校の美術科出身で、絵は苦手ではないのだけど、何をどう載せるべきか、全く浮かんでこないんだ。
 
今なら理由がわかる。だって、私は、プレゼンについて、何も知らなかったから。今だって、作れない理由がわかってるだけで、どういうのを作ればいいかは、やっとおぼろげに浮かんできたところ。
 
その頃はとにかく、参考にできるものがないか、いろんなホームページを見たり、本を片端から読みあさったり。その中に堀江貴文さんの本があって、HIUに入ればいいじゃん、と書いてあったので、入った。これが、HIUに入ったきっかけだ。
 
堀江貴文イノベーション大学校が正式名称で、Facebookのオンラインサロン。毎月1万円+消費税を払えば、だいたい誰でも参加できる。
 
2019年5月から、私はHIUに参加した。その中で、シンガポールのビジネスピッチを知り、動かないことには始まらない、とばかり、何をすればいいのか、さっぱりわからないけど、応募した。
 
添付資料として、3分以内のプレゼン映像が必要というので、NHK『所さん、大変ですよ!』でナレーションを担当されてる吉田鋼太郎さんのマネをして、スタジオのナレブースで、マイクを前にヘッドフォンをして、カメラ目線で喋った。
 
こんなところで、昔取った杵柄が生きるとは、考えてもみなかった。キャスターやってたので、なんとなくコツはある。ただ今回は、自分で書いた原稿で喋るってだけ。
 
この「3分」というのが、ものすごく勉強になった。喋りたいことはたくさんある。あり過ぎるから、「3分」にするには、削いで削いで、削がなきゃいけない。
 
ナレ(読み)原稿で3分でも、カメラ目線(つまり原稿見ない)では4分になる。どこを削って何を残すか。原稿作りって、なんて難しいんだろって思い知った。
 
さらに、ピッチ本戦では、パワーポイントを用意しなければいけなかった。パワポに付けるナレーションなら仕事で大量に喋ったけど、パワポを作成したことなんて一度も無い。果たして手に負えるものだろうか。
 
と、心配するほどのこともなく、難なく使えた。それが、先日公開した映像。画面がショボイのはセンスの問題(笑)
 
恐ろしく使い勝手のいいアプリケーションで、驚いた。次のプレゼンでもパワポ資料が条件なので、今度はもう少しカッコイイのを作りたいと思う。
 
こうして私は、ピッチ出場を通して、少しずつ少しずつ、本当のビジネス、真の起業ということに目覚めていったと思う。
 
26歳、若くして起業した時は、勢いだけで、何の策も無く、ただがむしゃらに突き進んで、偶然にもうまくいった。だけど計画性の無い組織は、勢いが無くなれば地に落ちる。
 
「企業を目指しなさい」
そう言われた意味が、今になってやっとわかってきたと思う。
 
シンガポール祭りの出場者と決まったからには、自分都合で穴を空けるわけにはいかない。初めてのプレゼンだから、という理由で甘えれば、結局自分に跳ね返ってくるだけ。
 
求められるがまま、一人で考え、一人で準備した。
 
正直、降りたいと何度も思った。何の為に参戦するのか、わからなくなってもいた。
 
マネタイズにばかり言及される。公益性が高くても、マネタイズできない企画に価値は無いのか。可能性を見いだしてくれるかも、という期待は幻想でしかないのか。
 
出資してもらいたいのか?
ピッチでお金を得るとは、そういうことなのか?
 
自分の中で何か違う気がしてきていた。なら、参戦することに意味はあるのか?
 
もちろん、一緒に考えてくれる人も、出来映えを誉めてくれる人もいた。でも、私に近しい人は皆、同じ業界で、似たような環境で、「ピッチって何?」という、そもそもの私と同じような場所にいる。
 
そう、だからHIUに参加したのだし。
 
HIUで、たくさんの素敵な人と出会い、たくさん勉強させてもらった。
 
シンガポールに無事出場できたのは、そこに係わったHIUのスタッフの人達がいたから。彼らがいなければ、もしくは彼らでなければ、降りていたかもしれない。
 
そのくらい、出場する意義を見失っていた。
 
お金は、恐らく得られないだろう。ではいったい何の為に。
 
シンガポールで発表できるなんて、スゴイじゃん!とか、スゴイ宣伝になるね!とか、いいコネクションができるといいね、とか、ポジティブな言葉をもらって、うんうんそうだ、と自分を鼓舞した。
 
ただ責任感、義務感を、希望、意欲にすり替えて、自分の成長の為、勉強の為と言い聞かせて、自分はできると信じて、シンガポール本戦に臨んだ。
 
シンガポール祭りは大盛況だった。私の発表も、それまでで一番うまく、というかスムーズにできたと思う。
 
なんだかんだ思いながら、出るからには優勝する気でいた。優勝するつもりで臨んだし、優勝すると信じていた。
 
勝負に挑む選手の気持ちが、少しわかったように思う。
 
事前インタビューで自信満々に受け答えていた選手が、スグ敗退してしまって、あれれ?と思って見てたけど、出る人は、誰もがきっちり勝つつもりなんだって。勝つと信じてるから出るんだって。
 
私も絶対勝つつもりだった。実際は、ほとんど相手にもされなかった・・・
 
いやいや、審査員の一人、中田敦彦さんがおもしろがってくださって、感謝感激。
 
興味を持ってくださった海外企業さまもあって、少しお話が進んでるようなわからないような・・・日本でもお会いして、ちょと待ち中、けど、お話しだけでもありがたい。ホント、救われました。
 
堀江さんの総評は、今回はたいした企画無かったけど、日本でやる時は、もっとスゴイ企画出るから云々・・・
 
50メートルくらいストンと落ちるくらい、がっかりしたよ。仮に、ホントにそうだとしても、言わないで欲しかった。
 
みんなが、ホリエモン祭りを成功させるために、私たちだってステージに穴を空けないために、必死に準備してここにきた。
 
もちろん、素晴らしい経験をさせてもらった。これがあって、次がある。
 
私は、自分が情弱だったなんて思いも寄らなかったし、今では社会の様々な側面を知って、前よりは少し見えるようになったと思う。何より、企業とはマネタイズ有りき、という原則が、やっとわかってきた。
 
お金は、がんばればついてくる、なんて幻想で、取りに行かなければ得られない。稼ぐって、そういうことだと思う。(将来、この考えが変わらないかどうかはわからないけど)
 
HIU内でのことは、サロンの規約で書くことは控えるけれど、異業種老若男女貧富役平プー様々。興味があれば、是非参加してみてください。
 
自分から楽しめれば、楽しいよ。待ってても、何も落ちてこないけど。
 
そんなこんなで、7ヶ月半。
 
堀江さんからのクビ勧告があって、私は自主退会した。
 
なんのことはない、スピリチュアルが原因。堀江さんのスピ嫌いは有名というか。少しだけスピリチュアルに関連した話をしたのが、気に障ったと思う。
 
私は「ヤバ過ぎでしょ~」なのだそうな(笑)
 
サロン主がイヤなことはすべきでないけど、私は自分でもよくわからないけど、なんか不思議なことによく遭遇するので、つい事実として話してしまう。
 
そんなわけで、クビになった。
 
一段落やった感はあったし、そろそろどうしようかな~と考えていたので、タイミングかもしれないね。天の思し召し←
 
いい悪いはおいといて、堀江さんから直接のクビ勧告なんて、光栄としか(キラキラ)
 
たくさんのことを経験させていただいた7ヶ月半。本当に楽しかった。
 
Facebookで友達になってれば、これきりってことも無いし、たくさん素敵な知り合いもできた。きっとご縁のある方々なのだと思う。
 
今は、次のビジコン『みんなの夢AWARD』に書類選考通って、二次面接に向けて、鋭意準備中。
 
今回のは、公益性も重視されるので、より本望に近いプレゼンができると思う。こんなことも、シンガポールに出場してみて、わかったことだな。
 
シンガポールでお世話になったみなさま、ありがとうございました。行けて、よかった!
 
HIUで親しくしてくださったみなさま、これからは仕事面で、繋がっていきたいです。HIU関連のことには参加できなくなるけど、こんなヤツでも良ければ、人が足りない~とかあれば、是非お声かけください。
 
お世話になりました!ありがとうございました!
がんばるぞー!!