夜見る夢、そしてなぜか『竜の柩』高橋克彦著 祥伝社刊 | まさきせいの奇縁まんだらだら

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原因不明の「声が出ない症候群」に見舞われ、声の仕事ができない中で、人と出会い、本と出会い、言葉と出会い、不思議と出会い…

瀬戸内寂聴さんの『奇縁まんだら』というご本を真似て、私の「ご縁」を書いてみようと思います。

小学校3年生の時、夢を見たんだ。
 
夢の中で、大人になっている私は、ガッチャマンの特撮ショーで白鳥のジュンとして、学校の体育館のステージで、アクションを披露していた。それはそれは、かっこよかった。
 
そして「女優になる」と思い込んだ。以来、女優になると疑わなかった。
 
高校の時、「まさきは夢があって、え~なあ」と言われた。美術科のクラスメートで、美術科にいるのに、夢が無い、なんてことがあるのか・・・と思った。
 
私は腰掛けのニセモノだけど、他のみんなは、ちゃんと美術系の仕事をしようと考えているのだと思っていた。
 
その時はじめて、そういえば、どうして私は女優になることになってるんだろ?と少しだけ考えた。
 
でもそれより、どうして夢(目標)の無い人がいるんだろう、と不思議だった。
 
で、笑っちゃうのが、それからもけっこう長い間、どうしてみんな、芸能界を目指さないんだろ、と考えていた。芸能人や有名人になることが、誰にとっても人生の最善だと疑いもしなかったんだ。
 
全く、宇宙の誘導?も、ここまでくるとギャグだよね。こんなオメデタイ人間で、よく生きてこられたと思う。
ホントの神さまの思し召し。

10代、20代は、夢をよく見た。なんとなく覚えている夢をいくつかあげてみる。
 
・日本かアジアで、時代がかってる感じ。山の中に閉ざされた村があって、私はそこに潜入する密命を帯びた、忍びのようなスパイのような感じ。
その村に入るには、こちら側にある湖に潜って水の中からトンネルを抜けるしか方法が無く、私はワラでシュノーケリングして、見事潜入に成功。
 
第2話では、そこで生活していたように思う。平穏な良い暮らしで夫もいた。
第3話で、また水路を通って、湖から帰還して、誰かに報告していた。

・わりと現代、外国(中東かアフリカだと思う)の乾燥地帯、戦争の最前線で、私は銃を持って辺りをうかがう兵士。ヘルメットの中で、短髪にウジがわいて、痛がゆくて困った。
 
第2話では、数人組になっていて、誰かを護衛して、車に乗り込んだ。そこでほっとしたように思う。
 
この他にも、戦争モノはたまに見た。逃げる感じがなかなかリアルだったりもして、夢バーチャルとか思っていた。

・地球に、隕石だかなんだかが接近してきて、それを撃破するロケットを打ち上げることになったのだけど、それは元々予言されていたことで、村にはロケットが配備されていた。というか、その為の村だった感じ。ところが、そのロケットには子どもしか乗れず、子どもの私が選ばれてしまった。
 
ロケットは、神社の鎮守の森に隠されていて、杉?の木がパカンと左右に割れて、中からロケットが現れた。
 
この夢も何度も見たけど、一回もロケットには乗ってないと思う。いや、最後に乗ったかな・・・悲痛なイメージがあるから、乗って終わりだったかもしれない・・・

・私は、母と女二人組の盗賊で、ルパン三世と、日本最古か世界にひとつだかの切手を盗む競争をしていた。
第2話で、母の作戦で、私が盗みに成功し、どこやら海外(ヤシの木系方面)へ逃亡。
第3話で、中国あたりで中国料理店?を営んでいて、ルパン一味に切手を横取りされてしまった。これで足をあらったと思う。
 
ルパン三世が出てきて、盗みの作戦も含めて、超楽しい夢だった。

・宇宙戦艦ヤマトに乗った。けど、私に身体は無く、誰かの目線に入ってる感じ。私の夢なのに、私は主役じゃなくて、ただ見てるだけ。なんだったんだろうと思う。

だんだん怪しくなってきたね(笑)まあ、夢なので。
 
楽しい夢も恐い夢も、わりとドラマ仕立てで、それなりに楽しめる。人によく話すようになったのは20代も後半になってからだけど、宇宙に落ちるまでは、本当によくドラマ夢を見た。
 
宇宙に落ちてからは、飛ぶ夢が多くなったと思う。以前から飛んではいたけど、浮いてるけど進まないとか、あまり上手じゃなかった。
 
スキューバダイビングで中性浮力をとれるようになって、飛ぶのもうまくなったかもしれない・・・なんちて。
 
マンガや小説を書くのが流行った時に、題材にはことかかないので、小説家になろう!と思って、女優をあきらめてからせっせと書いた。
 
龍をテーマにした作品を、20才くらいで書き出して、宇宙に落ちてからさらに書き足して、最終的には地球の創世のような話になった。
 
宇宙意識が地球を見つけて住み着く話は他にもあって、というか、それも今思い出したのだけど、やたら宇宙から飛来するのは、何かの記憶なのかしら・・・
 
主人公は忘れていて、一般人・・・というよりダメ学生なんだけど、思い出させるために、かっこいい人たちが登場して、主人公を目覚めへと導いていく・・・的な話が多い(笑)
 
幽霊と意識が入れ替わっちゃう、なんてのもある。これも元ネタは夢なので、結末が不自然だったりして、小説家には全く向いてなかったらしい。
 
龍の話を書くために、たくさん調べ物をした。
世界の神話や伝記、古代遺跡や消えた大陸、進化論、遺伝子、地球の起源・・・
 
15年ほどもかけて、超無知だった私が、恐ろしいほどの物知りになった。
そんなこんなは、また後の回に譲る。
 
さて、龍を書こうと思ったきっかけが、思い出せないのだけど、それは意識し続けるとして。
 
高橋克彦先生の小説『竜の柩』と出会って、世界は大きく広がった。
 
文庫の奥付には、「平成9年 初版第1刷」とある。宇宙に落ちる前、うつに入る直前だったようだ。
 
もしかして、この本が、宇宙に落ちることになる、きっかけだったのかもしれない。
 
どうあれ、この本が、私のそれからの世界観を作ったのは間違いない。
『竜の柩』は私のバイブルになった。
 
話はここで終わらない。それから15年ほども経って、そろそろ忘れかけていた頃のこと。
 
私を『元禄繚乱』へと導き、中村勘三郎さんに会わせてくれた俳優に、ある日突然、呼び出されたんだ。
「高橋克彦先生のご本を映像化する手助けをして欲しい」
どの作品でもかまわないので、テレビでも映画でも、企画して、売り込んで欲しいということだった。
 
なんてこと!よりにもよって、高橋克彦先生だなんて。
 
私はものすごいご縁を感じて、俄然張り切って、『竜の柩』の検討を始めた。他の本も頭に浮かべながら、でもやっぱり『竜の柩』以外、無いと思っていた。
 
『竜の柩』を映像化することが、私の使命なのかもしれない。そう思った。
 
けど、時代背景や、新たに発見された事実などもあって、そのままではダメだった。そこで、新しいストーリーに組み直し、西島秀俊さんを主役のイメージにして、シナリオを書き始めてみた。
 
できあがれば、大変おもしろそうだった。けど、帯ドラマの1話分を書いたところで頓挫している。このとき、これを止める要因があったんだ。
 
これも、ドラマなら、まあそれなりのエピソードになるのかな。ここでは割愛するけど、1話分程度のボリュームはあると思う。おかげで、内容証明の書き方を覚えた。つか、内容証明ってものがあることを知った。
 
これが、所属していた事務所をやめるきっかけになったのだけど、この件が無ければ、他の何かが起こって、同じ結果になったのだと思う。
 
前のブログも、この一連でストーカーされたから閉じてしまったんだけど、それが、今のブログを立ち上げるのに、繋がってるわけだ。

実は今日、いきなり『竜の柩』を、思い出させられた。いや、やめるとは言ってないし、こないだも、久々会った俳優に「まだあきらめてない」と伝えたばかり。だけど、また念押しされた気がする。
 
ホント、何の脈絡も無く、唐突に出てきたんだ。
 
『アウトオンアリム』をとにかく音声化して、早急に『竜の柩』にとりかからなければいけないらしい。
 
うん、『アウトオンアリム』がベースに無ければ、『竜の柩』は荒唐無稽なだけのSFになっちゃうからね。