戦争

戦争は交渉による交渉を行い、お互い双方歩み寄れないとき、交渉の決裂の最後に起きる行動。

戦争は人を殺し、他国の領土を奪い合う行為。

とても失礼を承知で書くが、国土戦争はとても分かりやすい行為である。

そこまで様々な交渉が行われ、国際会議にて問題提議され、そして宣戦布告し戦争が開始される。

人が人を殺し領土を奪う。物理的な有形資源の取り合いが戦争である。


でも同じ戦争でも下記の戦争はちょっと違う。

「マネーウォーズ」

経済戦争である。

経済戦争には宣戦布告も無い。

そして領土の侵略もなければ、人も直接殺さない。いつのまにか仕掛けられて気がつかないうちに、見えない資産がどんどん目減りしていつの間にかその国の資産価値が無くなる。


そして戦争を行う上での最低限のルールすら経済戦争には皆無である。現実あるお金が燃えて無くなったり、略奪されていくわけではない。


国の資産価値というものがいつの間にか無くなっていく。


分かりやすく例えとして書くと・・・

例えば日本が100ドルの外貨を保有していた。その場合、為替レートが1ドル120円の場合、日本円に換算して、12,000円の価値になる。しかしこれが1ドル85円になると、8,500円になってしまう。

円高になるだけで、日本のお金は何も変わっていないのに、100ドルで3,500円も下がってしまう。


いま中国は、米国債を売り払っている。そして日本国債を買っている。

当然、米国債が売れていけば価値がなくなり、その国の通貨は安くなる。

そして日本の国債がドンドン買われている。だから日本の価値が高くなっていく。これが円高の一番の要因。

ただし、日本が円高になっているのは決して日本の価値が上がっているのではなく、アメリカの価値が下がっているということ。


対貿易国としては今で日本はアメリカと一番貿易があった。しかし昨年、その一位の座が対中国となった。

日本から中国に物を輸出する時、アメリカドルが安くなればなるほど得をするのは中国。

日本の基軸通貨、ドルで品物を買い付ければ得だから。

日本は今まで資源輸入型の消費国家だったけれど、今は産業輸出国として生きていかないと成り立たない。

それは国内の消費が目減りしているから。


今はせっせと働いて、製品を量産し、日本の消費が冷え込んでいるので海外へ輸出して外貨獲得するしかないですよね。

でもその外貨の価値がドンドン下がっていってるのだから、同じ労働力でも1人で稼げる生産効率が下がっているということ。

今まで1個で12,000円のものが8,500円になったら、当然1人の生産効率は落ちるので、給料も減っていきます。

そして人も要らなくなります。


もうここまで株安・円高が続くと、本当に日本は自分の力だけでは這い上がれなくなります。

第二次世界大戦終結後、無条件降伏して、ポツダム宣言を受託し、他国に日本の産業復興を任せた日本と同様、今度は経済戦争に敗れて、他国の力を借りて経済復興する以外ないのかな?


でもその時には「ニッポン」というブランドだけ残り、その中にいる「日本人」は要らなくなってくる気がする。

海外には低コストで文句も言わず働く人材が腐るほどいるから。

今までそういう人達が作った物を、日本は消費していた。

現に日本にある品物の殆どが海外製のものばかりでしょ?


そう考えるとホントに恐ろしい世の中になりそうだ。