時は朽ちていくというのに
古いきみが好き
そして
新しいきみが好き
古いきみは
若いきみ
黄ばんだ写真に残る
昔のきみ
新しいきみは
今のきみ
昨日よりも今日
新しくなるきみ
不思議だよね
皮肉なんだよ
こうしている間にもきみが古くなり
こうしている間にもきみは新しくなる
時は朽ちていくというのに
きみは新しくなっていくんだから
1632014
理論ヒトde学 時の淘汰篇
人は時を過ごすにしたがって
分岐選択を繰り返し
自分をカタヨッタ存在にしてゆく
他力であろうが
自力であろうが
人格の底は淘汰され
形成の岸は削られて
為してゆく
つまりはウネリ氾濫する
生ける河川の彫像なのだ
人らしい人というのは
生まれた刹那の素材のみである
そしていつしか人は
天然自然には存在しえないある意味の
造形妖怪ともいえる形状に為されていく
とどのつまりの成れの果て
人は生まれてから「人デナシ」にまっしぐら
なのだ
聖人といわれようと
堕人と呼ばれようと
生まれてから人は
「死」にまっしぐらにダイブしているように
なるほどそれなら
腑に落ちることが
タックサン
タックサン
アルんだゼ。
1622014
分岐選択を繰り返し
自分をカタヨッタ存在にしてゆく
他力であろうが
自力であろうが
人格の底は淘汰され
形成の岸は削られて
為してゆく
つまりはウネリ氾濫する
生ける河川の彫像なのだ
人らしい人というのは
生まれた刹那の素材のみである
そしていつしか人は
天然自然には存在しえないある意味の
造形妖怪ともいえる形状に為されていく
とどのつまりの成れの果て
人は生まれてから「人デナシ」にまっしぐら
なのだ
聖人といわれようと
堕人と呼ばれようと
生まれてから人は
「死」にまっしぐらにダイブしているように
なるほどそれなら
腑に落ちることが
タックサン
タックサン
アルんだゼ。
1622014
「魅力」は ウムヲイワセナイ 。
価値を見つけるのは「差」であり
個性を認めるのは「違い」である
でも
比べなきゃわからない「価値」なら
違いを示す「個性」になっていない
「魅力」は ウムヲイワセナイ 。
Water Museum - Station de pompage à vapeur Barbadinhos (Salle des machines à vapeur) / Visual Images provided by Pedro Ribeiro Simões
1612014
だれかとだれかの天国
きみが生まれたとき
ぼくはどこにいたんだろう
それを思うとせつなくなるんだ
きみが生まれたときに
ぼくは助けを必要としていたと思うんだ
スチールの冷たい椅子に腰掛けて
夕暮れのシルエットになりながら
ハミングをしていたあの頃だから
きみはなにをもって
生まれてきたのかな
死さえおそれぬ闇をかかえて
痛みを感じるよりも速く
ぼくのもとに飛び込んできた
まるで太陽に身を投げるように
愛が生まれたとき
ふたりの髪と髪はチェーンで結ばれた
きみとぼくは天国をさまようけれど
きみが生まれたときには
かれも助けを必要としていたんだね
時間のうさぎがジンジャー色の眼をして
降り積もった雪を転がり落ちていく
きみとぼくを見ていたあの頃から
きみはなにをもって
生まれてきたのかな
死さえおそれぬ闇をかかえて
痛みを感じるよりも速く
ぼくの胸に飛び込んで
さっさと殺してくれ
まるで太陽に身を投げるように
1592014
バカバカシイからはじめよう
バカバカシイからはじめよう
バカバカシイからはじまるものさ
この感動というものは
見返りにほくそえむこともなく
計算高いトクをもくろむこともなく
手間を費やし
時間を費やし
見えちゃったンだから
浮かんじゃったンだから
あらちょっとやだステキじゃないヨ
そんな興奮に単純なだけで
ドーパミンに素直なだけで
そうそれだけさ
だからね
バカバカシイからはじめよう
バカバカシイからはじまるものさ
この感動というやつは
だれもがわかる
単純きわまるヤリカタをクリカエセ
バカバカシイままの情熱に浮かされて
バカバカシイまでに凝縮して形に成る
そんな作品に人はまちがいなく
感動を覚えるだろう
だって人はね
骨身を惜しまぬ情熱の献身を尊ぶものだし
放たれている波動は肌身で瞬間感じとれる
素晴らしく繊細な生きものでもあるからさ
1582014
唄はなまえ
言葉にするのはおろかな呪い
凍てつく息は白くて赤い嘘をつく
語りつくそうとすると夜はきびすを返し
蝙蝠はアテなき魂をさらいにやってくる
ひとは闇をつかまえては抱え込み
空にさらす髪は風の川を流れ行く
鎌になぎたおされた草の海原に
真昼の月は片足を落としている
記憶とは
忘れさったものには冷酷な断罪を課すもの
たどってきた道はとめどなく遠いはずなのに
ふりかえるとところどころが消え失せていた
地の果てまでも見通す丘からのぞんだのは
まばゆいほどに鏡の池と蒼い草の墓石たち
1562014
「 テイネイ 」
シンプルはいいが
急ぎすぎるな
結果が欲しいときほど
ハショリたがるものだけど
満足いく結果はいつも
「 テイネイ 」
から生み出されている
シンプルとは
省くことではなく
常に洗練され選択され
凝縮された解答なのである
1552014