- ぼくになら ことばにできる -
心になにかを
求めているひとに
ピンとくるお話がいっぱいあります
世の中のひととちょっと違った視点を持つおっちゃんは
『ことばで描く画家』であります。
ひとときは無限
使い回しの感情とか
予測した明日とか
ぼくらはどれだけ自分の可能性を殺しているんだ
自分の知らない自分とすれ違っているんだ
感覚が歌を謳っても
魂が居留守さ
きみの微笑みも鏡には無力
アンテナは振りきっていても
机に足を上げたままの五感の糸
慈しみを説くより
恥をしれよ
もつれあう息には必ずあう因果があるとしても
すべてが昨日見た夢の明日なら
縫い合わされた下衆なエロス
ひとときは無限
KW 15/16 12/12 - 4 - Infinite/ richardhe51067
0122016
それがすべてさ。
ぼくの手の中にあった命は
ぼくから離れてしまった
ぼくは愛で生かそうとするけれども
ぼくの全身全霊でも足りないというんだ
でも。
それが
なんだ
だから
なんだ
ぼくの手の中にはいつだって愛がある
ぼくの命はいつだって投げ出す覚悟がある
それがすべてさ。
0102016
長居ハ無用
苦しみヲ背負うより前に
出発しチまいなよ
自分自身を苦しめてるのハ
いつも自分自身デ
なにかを決断するときも
探せば探スほど
迷えバ迷うもの
ねぇ聞コエてるノかぃ オヒトヨシさん
立ち止まって
苦しみヲ背負うより前に
ソイツに肩スカシして
出発しチまわないかい
きみのレールの終点に
笑いだすほど不器用デ
愛ある世界が広がってる
ほら
きみが探せば探している
行きたがっている 世界
0092016
夜の案山子
ことばのあげあしばかりとるきみ
ドブ板を踏み外そうと踊りつづける
漆黒のハットをかぶったひとつ目の土星は
手にしたタクトで
霧を律儀なサラリーマンにしてしまう
大きな黒い月は
さしずめ公海を行く
闇の帆船だ
ゴオンゴオンとパトライトの音をくゆらせては
きみの知らない背中に波紋を描いて
おおい過ぎてゆく
百眼を光らす金色の列車は
ガタタンガタタンと夜露に吐く息を泡立てて
札束を数える音と余韻に広がり
着物からげて山へ昇る
舞台はとうに
ひかれたんだよ
幾百もの迷い猫たち
ナイトクラブの楽屋に苔むして
蝙蝠の血の気の濃いルージュで
歯のない唇を今夜も飾り立てている
その気のとたんにビルディングは蒼くなり
ひと気を失くしたミルクの海に
クワランクワランところげ落ちていったんだ
夜の底に踊るきみはもう
マンホールの上
ストンと落ちれば今宵は無礼講と
青空のホコロビみたいな高イビキをはじめた
見果てぬ夜は紙芝居屋の
お手のもの
誰も見なくなった夢を
誰かのために親指でなぞっているものなのさ
遠くじゃ夜鷹がホゥと鳴き
星とほほよせクツクツと忍び笑い
極上の一見さんは
黄色い番傘をさし
夜の案山子みたいに
右往左往と立ち往生
凍てつく夜道に風鈴の音が降り積もれば
いつしか
マシュマロのような
真白になっていた
0082016
おなかいっぱい
できあがったものや
生き方に共振する
「いいね」ではなくて
このひとオツキアイノあるヒトなものですから
「見ましたヨ」という常識人のツトメですから
キラリと光らす眼鏡の底で
現実社会の処世の沼に
愛想笑いの口の端
ネットリ浮かべた
「いいね」という蓮の葉
オツキアイヲ怠けたら
とたんに彼らは
キミダレワタシニ
冷たかったジャないですかと
報復の無視と冷たいシウチ
視線さえも合わさない
トウゼンノムクイがあるものなノです
友人というナの絆の
救われない今生の負の連鎖
ああ
ヒトってぼくには
おなかいっぱいなんデス
0072016
瀬戸際
あなたが
「運命を信じるヨ」と
言葉として意識として
宣言する
そのトタンに
あなたの 知らないアナタ は
その口実に オートマトンで同調し
「今」
以上の 努力はもうしなくてよいのだと
あなた自身に 命令 してしまうだろう
0062016
オシテシルベシ
煙草なんてヤメチマエヨ
そんなルーティンさえ断ち切れないから
アンタはいま
そのテイド
なんだろ ?
0052016
満月よりもクセの強いものは新月
人というのは商売じゃないからね
やめられるもんじゃないんだ
満月よりもクセの強いものは新月
好きじゃないのに
気になるというのは
たぶんそういうことなんだよ
0042016