”瞬”
学校では
センパイセンパイ
と慕っていれば
やがて自分の出番がくる
でも社会では
卒業はナイノダカラ
順番どおりに時がめぐり
出番が必ず来る気でいると
キミのピーク
キミの売り時
”瞬” をノガスヨ
0112015
センパイセンパイ
と慕っていれば
やがて自分の出番がくる
でも社会では
卒業はナイノダカラ
順番どおりに時がめぐり
出番が必ず来る気でいると
キミのピーク
キミの売り時
”瞬” をノガスヨ
0112015
うつつ
壊したものさえ忘れてしまって
コレマデをなぞっていた
トキメキを呼び覚まそうにも
コレカラに夢を持たないものに
沈黙が心をひらくことはない
ぼくはずっと
止まり木にしがみつき
今は聴こえなくなった
手のひらのパーツの奏でる
命を刻む音を
うつつに聴こうとしていたんだ
0102015
心は振り子
雨の日に 気持ちが内をむくのはなんのせい?
音のせい?
ポツリポツリとザーザーと
この身を囲む音たちから
耳をふさぐように内をむくの?
水のせい?
雨の水滴たちが立ち込めて
体と気持ちを圧迫するから苦しくて
気持ちを内へ内へと雨宿りさせるの?
冷気のせい?
冷え冷えと天の原から降りそそぎ
まだらに肌をたたく水滴が熱を奪うから
ぬくもりを閉じ込めておこうと気持ちを内へ押し込むの?
雨の日はだれもが押し黙り
押し殺した眼に愁いを宿す
音にぼくらは沈黙し
水にぼくらは立ちつくし
冷気に胸の火種は立ち消える
それでも
悪いことばかりじゃない
心は振り子
ぼくらのまわりにはいつだって
いくつもの解答が
揺れている
悪いことに気がつくなら
良いことにも気づくはず
影が見つかればいつも
姿が見つかるようにね
耳をふさぐから
内に鳴る想いが響く
立ち止まるからまた
歩き出す嬉しさに満たされる
熱を失くすから
わずかなぬくもりさえありがたい
そうやって
ぼくらのまわりにはいつだって
いくつもの解答が
揺れている
心は振り子
悪いことばかりじゃないのさ
0092015
自慢のアイドル
毎年この時期になると
白鷺が川へ降りてくる
川の曲がりのちょっと深いところは
じいちゃんが手を入れた餌場
白鷺は毎年餌場でハヤを狩り
毎年同じ樹にとまり
気高くあたりを見下す
今年は樹の枝が折れてしまっていたので
ばあちゃんは少し心配していたけれど
なあにそんなこと白鷺は
まったく気にも留めやしない
毎年来る白鷺は
毎年同じではないはずなのに
ウチに来る白鷺は
べっぴんさんだからすぐわかると
ばあちゃんはどうしても言い張る
下から見るよりね
二階のベランダから見るとね
それはそれは立派な姿でネエ
ハーァって見とれちまうんだヨ
べっぴんの白鷺はさながら
可愛い我が子のようなものだろうと思ったら
ばあちゃん自慢のアイドルだった
ばあちゃんは春まだ咲かぬこの時期に
毎年ココロ
トキメカス。
0082015
絵空事
これまでに見たこともない
これからも知ることのない
どこかの世界に生きる者の
幸せを天に心から祈るのに
あなたのよく知っている人が
幸せに包まれほほ笑む光景に
どうして素直になれないのだろう
未知ゆえの夢見投影
触れあう生身に陰影
ぼくらは肌で感じて
頭に夢を見てるんだ
彼方の屍はいかなる異臭も放たず
安息の芳香は時に残虐な鬱を招く
絵空事 。
Day 5: Micron Truck / photo Image provided by Charles Knowles
Swiss Clock Bells at Sunset / photo Image provided by Garry Knight
Visual images edited by MasakiEguti
0072015
これからも知ることのない
どこかの世界に生きる者の
幸せを天に心から祈るのに
あなたのよく知っている人が
幸せに包まれほほ笑む光景に
どうして素直になれないのだろう
未知ゆえの夢見投影
触れあう生身に陰影
ぼくらは肌で感じて
頭に夢を見てるんだ
彼方の屍はいかなる異臭も放たず
安息の芳香は時に残虐な鬱を招く
絵空事 。
Day 5: Micron Truck / photo Image provided by Charles Knowles
Swiss Clock Bells at Sunset / photo Image provided by Garry Knight
Visual images edited by MasakiEguti
0072015
Madness
「 無関心が
ひとを殺す 」
チャンネルをザップ して
カワイイカワイイ とか
オイチイオイチイ とか
オワライオワライ とか
それバッカ
なア
おマエは 逃げてバッカで
イーのかヨ
0042015
エゴイスト
オトナがとっくにあきあきしてることも
子どもには大発見なのさ
なんでだれもやらないんだろう!
なんでだれも気がついていないんだろう!
ってね
他人のせいにばかりしていると
エゴは強くなる
自分の非を認めるようになると
エゴは調和の喜びを知るだろう
子育ては自分たちの役割ではないと
オトナは教育のせいにする
今の世の教育とは給仕と同じサービス業なのだから
子どもというお客様をいさめることをしてこなかった
だから当然
エゴが強い今の子どもたちは
無敵だの頂点だのと勘違いをはじめるわけさ
そんな子どもたちにオトナはあきあきしている
なにより
手にしてるオモチャから目をハナサナイし
楽しい遊びでいつもおなかをいっぱいにしていたい
ほらね
今のオトナたちはとても忙しいんだよ
オトナはジブンラシク生きていきたいだけで
他人との調和には言うほどには本気じゃない
オトナの興味は
自分に夢中でいることだから
0032015
子どもには大発見なのさ
なんでだれもやらないんだろう!
なんでだれも気がついていないんだろう!
ってね
他人のせいにばかりしていると
エゴは強くなる
自分の非を認めるようになると
エゴは調和の喜びを知るだろう
子育ては自分たちの役割ではないと
オトナは教育のせいにする
今の世の教育とは給仕と同じサービス業なのだから
子どもというお客様をいさめることをしてこなかった
だから当然
エゴが強い今の子どもたちは
無敵だの頂点だのと勘違いをはじめるわけさ
そんな子どもたちにオトナはあきあきしている
なにより
手にしてるオモチャから目をハナサナイし
楽しい遊びでいつもおなかをいっぱいにしていたい
ほらね
今のオトナたちはとても忙しいんだよ
オトナはジブンラシク生きていきたいだけで
他人との調和には言うほどには本気じゃない
オトナの興味は
自分に夢中でいることだから
0032015
なきがら
凍てつく波打ち際を
赤い月が横ぎる
「ぞうけ無く
さっすない
いていまされ」
ぼくにつぶやいたのはたぶん
どこまでも夜をかかえこんだ
海
ああ
この海は
口惜しくて口惜しくて
泣き崩れた
空なんだな
0022015