前回の続き。

第63号【インドのレイプ事件の背景(1)ー英ドキュメンタリー映画の禁止とデリーで実際に感じること】:
http://ameblo.jp/masakazu4649/entry-11997856944.html

第64号【インドのレイプ事件の背景(2)ー英ドキュメンタリー映画の禁止とデリーで実際に感じること】:
http://ameblo.jp/masakazu4649/entry-11997926630.html

第65号【インドのレイプ事件の背景(3)ー英ドキュメンタリー映画の禁止とデリーで実際に感じること】:
http://ameblo.jp/masakazu4649/entry-11998086281.html


話題のドキュメンタリー映画「India's Daughter」のリンクはこちら
(3月11日の時点で見られません)



③驚くべき発言をする弁護士たち


話題のドキュメンタリー映画を見た後の最大の違和感は、映画に登場していた弁護士2名です。



上図:話題の弁護士2名

まともな教育を受けているはずの人が、驚くべき発言をしていました。


以下、彼らの言葉を「一部」引用します。

<M L Sharma氏のコメント>

1. In our society we never allow our girls to come out from the house after 6:30 or 7:30 or 8:30 in the evening with any unknown person.
(我々の社会では、女性が夕方6時半以降に、知らない人と外出してはいけない。)


2. They left our Indian culture. They were under the imagination of the film culture, in which they can do anything.
(一部の女性はインド文化を捨て、何でも可能であるという映画のイマジネーションの中に入ってしまった。)


3. You are talking about man and woman as friends. Sorry, that does not have any place in our society. A woman means, I immediately put the sex in his eyes.
(我々の社会では、友達としての男性と女性は成り立たない。女性とは即ち男性にとっての性の対象を意味する。)


4. We have the best culture. In our culture, there is no place for a woman.
(我々は素晴らしい文化を持っている。我々の文化には女性のための居場所はない。)


<A P Singh氏のコメント>

1. If very important…very necessary... She should go outside. But she should go with their family members like uncle, father, mother, grandfather, grandmother, etc. etc. She should not go in night hours with her boyfriend.
(もし本当に外出する必要があるなら、女性は家族の誰かと一緒に外出するべきで、夜にボーイフレンドと外出すべきではない。)


2. If my daughter or sister engaged in pre-marital activities and disgraced herself and allowed herself to lose face and character by doing such things, I would most certainly take this sort of sister or daughter to my farmhouse, and in front of my entire family, I would put petrol on her and set her alight.
(もし自分の娘や姉妹が、婚前交渉を行い、自分の顔に泥を塗るならば、彼女らを家屋に連れて行き、家族全員の前で、油をかけて、火をつけるだろう。)


以上は自分の意訳なので、真意を知りたい方は、英文を見るか、映画を見ると、より明らかです。


もはや、自分が説明する必要はないと思いますが、弁護士という立場にも関わらず、

(驚きや怒りを越えて)非常に残念な発言をしています。


前回、スラムや農村の閉鎖的な環境下の加害者について書きましたが、

今回のケースでは、説明がつきません。


なぜかというと、彼らは十分な教育を受けているからです。



インドで、弁護士の資格を得るためには、少なくとも3-5年間大学で法律を勉強し、

法学の学士を取得しなければなりません。


当たり前ですが、インドの法律は全て難解な英語です。

ドキュメンタリーでも、両弁護士は英語で発言しています。



問題は、彼らはどうしてこんな発言ができるのか?


多くの友人にこの違和感を話すと、仕方ないと口を揃えて話しますが、

ある友人はこんな話をしていました。


「例えば、インドでは、都市でも農村でもABCを学ぶ。学校で教わるABCは、どこでも全く同じである。

しかし、ABCをどのように教わるか、そしてそのABCをどのように使うかは、場所によって異なる。」


このABCの例は、非常に的を得ています。


広い意味での「教育」の向上と普及が、この国には必要だと感じました。


ただし、たくさんの社会問題が複雑に絡んだインド社会で、

これを国や州などの組織が統制していくのは、非常に難しいのが現状です。


しかし、幸いなことにインドは、世界最大の民主主義国家であるため、

一個人が、様々なメディアを使って、情報を入手し、共有し、発信していくことができます。


例えば、change.orgに以下のpetitionが作られ、

14万人弱の人が既に署名しています。(3月11日時点)

https://www.change.org/p/manan-kumar-mishra-chairman-bar-council-of-india-take-action-against-lawyers-ml-sharma-and-ap-singh?utm_campaign=responsive_friend_inviter_chat&utm_medium=facebook&utm_source=share_petition&recruiter=28713318


これは、至極自然な現象です。


時間は多少かかるものの、女性にとって住みやすい国になることを心より願っています。




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