さて、前回の続きです。

第63号【インドのレイプ事件の背景(1)ー英ドキュメンタリー映画の禁止とデリーで実際に感じること】:
http://ameblo.jp/masakazu4649/entry-11997856944.html

第64号【インドのレイプ事件の背景(2)ー英ドキュメンタリー映画の禁止とデリーで実際に感じること】:
http://ameblo.jp/masakazu4649/entry-11997926630.html


話題のドキュメンタリー映画を見て、違和感がありました。

話題のドキュメンタリー映画「India's Daughter」のリンクはこちら
(3月9日の時点で見られません)



②何の疑いもなく堂々と女性差別のコメントをする加害者



上図:インタビューに答えるMukesh Singh氏。

加害者へのインタビューの中で、彼のコメントをいくつかピックアップしてみます。

“A decent girl won't roam around at 9 o'clock at night. A girl is far more responsible for rape than a boy.”
(まともな女性は夜9時頃に外をぶらぶらしない。女性は男性よりもレイプに責任を持つ必要がある。)


“When being raped, she shouldn't fight back. She should just be silent and allow the rape."
(レイプされる時は女性は抵抗すべきではない。静かにした上でレイプを受け入れるべきである。)


"Housework and housekeeping is for girls, not roaming in discos and bars at night doing wrong things, wearing wrong clothes. About 20 per cent of girls are good."
(家事は女性のものであり、女性は夜ディスコやバーでブラブラして、間違ったことしたり、間違った服を着たりしないものである。全体の2割の女性が良しとされる。)


また、刑法改正(強姦の最高罰則を死刑))について聞くと、

"Now when they rape, they won't leave the girl like we did. They will kill her,"
(今ではレイプした後に女性を解放せずに、殺すだろう。)



ビデオカメラがまわる前で、堂々とこれらの内容を発言しています。



よく何のためらいもなく話せるとビックリしますが、それだけ正しいと思って発言しているからです。




しかしながら、加害者が100%悪いとはいえない現状があります。


要するに、加害者が社会の被害者であったというケースです。


日本でもこういった議論はありますが、インドの抱える環境は、我々の想像以上に難しいです。


前回書きましたが、スラムや農村の環境は想像以上に閉鎖的で、限られた人としか関わることはありません。


そのため、コミュニティーや家庭での教育が、人間形成に大きな影響を与えます。


加害者の多くは学校に行かず、働いていました。

初等教育も受けていません。


また、映画の中で加害者たちが「GB road」に行くというシーンがありました。

映画では説明がありませんでしたが、「GB road」はデリー最大の売春宿と呼ばれています。


ここには、長距離トラックの運転手や工事現場の季節労働者が来ます。

性病に関する知識が全くない(もしくは気にしない)彼らは、

高い確率でHIV/AIDSに感染し、そのまま別の都市で同じことを繰り返し、

HIV/AIDS感染拡大の温床にもなっています。


普通の人は、GB roadには行きません。


おそらく同じコミュニティーの人たちが、遊びに行っているため、

彼らも同じことをしているのでしょう。



もう一つ映画から例を挙げてみると、

「被害者の女性が、盗みを働いた子供にもう悪いことをしない約束を前提に、物を買ってあげた」という話が

でてきますが、こんなこと普通のインド人はやりません。


なぜかというと、結局また同じことを繰り返すことを知っているからです。


悪いことが何なのか、どうしてそれが悪いことなのか、理解できないからです。



こんな根本的なこともわからず、学校にも行けない彼らが、100%悪いとは言えません。



しかし、彼ら以上に恐ろしいことを話す人たちがいました。


最後に最大の違和感をお伝えします。




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