万葉集から


湯原王の蟋蟀の歌



夕月夜 心もしのに 白露の

置くこの庭に 蟋蟀鳴くも


ゆふづくよ こころもしのに しらつゆの

おくこのにはに こほろぎなくも


夕月夜、心しみじみ白露を置くこの庭に蟋蟀が鳴く


別の詠みをすれば


「ゆふづくよ」は「結ふ付くよ」

「こころもしのに」は「此子ろも死のに」

「しらつゆの」は「白露の」

「おくこのにはに」は「置く子の庭に」

「こほろぎなくも」は「此火ろ木、泣く、喪」


「庭」は、神事等が行われる場所


亡くなった子を火葬にすることを詠んでいる