万葉集から


大藏少輔丹比屋主真人の歌



難波辺に 人の行ければ 後れ居て

春菜採む児を 見るがかなしさ


なにはへに ひとのゆければ おくれゐて

わかなつむこを みるがかなしさ


難波に人が行ったので、残って春菜を摘む子を見るのは愛しい


別の詠みをすれば


「なにはへに」は「難波辺に」

「ひとのゆければ」は「人の行ければ」

「おくれゐて」は「後れ居て」

「わかなつむこを」は「我が泥む期を」、私が気にする最期を

「みるがかなしさ」は「見るが悲しさ」


最期を見届けたいのだ