万葉集の歌から
弓削皇子の死去に置始東人が詠んだ歌
ささなみの 志賀さされ波 しくしくに
常にと君が 思ほせりける
ささなみの しがさされなみ しくしくに
つねにときみが おもほせりける
ささ波の志賀に頻りに寄せる波は、頻りに、いつもにと君が慕っていた
別の詠みをすれば
「ささなみの」は、「颯颯波の」
「しがさされなみ」は、「其が刺され波」
「しくしくに」は、「頻く敷くに」と「四苦四苦に」との掛詞
「つねにときみが」は、「付音に疾き三日」
「おもほせりける」は、「御面干せりける」
歌からは、三日に渡り突風が吹き荒れたことを詠んでいるから、弓削皇子は、突風によって吹き飛ばされ亡くなったと推測できる
弓削皇子は、西暦699年7月21日に、突然に亡くなったらしい
ある推定によれば、齢27歳
死の原因は、他の記録には書かれていない