万葉集の歌から



思へども 思ひもかねつ あしひきの

山鳥の尾の 長きこの夜を


おもへども おもひもかねつ あしひきの

やまどりのをの ながきこのよを


物思いをしても物思いは尽きず、あしひきの山鳥の尾のように長いけの夜に


別の詠みをすれば


「おもへども」は、「面艶とも」と、頭が優美で

「おもひもかねつ」は、「面緋もかねつ」と、緋色でもあり

「あしひきの」は、「悪し弾きの」と、大きな母衣打ちをし

「やまどりのをの」は、「山鳥の尾の」と、山鳥の尾の

「ながきこのよを」は、「長きこの節尾」と、節が繋がっているような尾


山鳥の特徴を詠んでいる



もう一首


あしひきの 山鳥の尾の しだり尾の

長々し夜を ひとりかも寝む


あしひきの やまどりのをの しだりをの

ながながしよを ひとりかもねむ


あしひきの山鳥の尾の枝垂れた尾のように長々とした夜に一人で寝る


別の詠みをすれば


「あしひきの」は、「悪さ弾きの」

「やまどりのをの」は、「山鳥の尾の」

「しだりをの」は、「枝垂り尾の」

「ながながしよを」は、「長々し節尾」

「ひとりかもねむ」は、「独りかも寝む」


山鳥の

母衣打ちをする

尾が長く垂れて節を持つように見える

一羽で寝ると思われている

などの特徴を詠んでいる