万葉集の歌から



あしひきの 山の木末の 寄生木取りて

挿頭しつらくは 千年寿くとそ


あしひきの やまのこぬれの ほよとりて

かざしつらくは ちとせほくとそ


あしひきの山の梢の宿り木を取って髪飾りにしたのは長寿を祈ってのこと


別の詠みをすれば


「あしひきの」は、「悪し引きの」

「やまのこぬれの」は、「や間の小ぬれの」と、たびたび筆が緩んだので

「ほよとりて」は、「百余取りて」と、数多くを

「かざしつらくは」は、「嵩失ら来は」と、重ねて間違えたから

「ちとせほくとそ」は、「ちと為反故とそ」と、書き損じた紙になった


紙に文字を書いている時に、筆が緩み失敗して書き損じたのだ