白い花は、「をとこへし(男郎花)」

黄い花は、「をみなへし(女郎花)」


「男」は、「をとこ」「をのこ」

「女」は、「をうな」「をみな」「をんな」「をむな」「ををな」

などと読んでいた


「へ」は、「上」「辺」「重」「家」「戸」「経」の意味がある

「へし」は、「上」の「辺」に「重」なるように咲く花を表しているのだろう


紀貫之の歌


小倉山 峰立ちならし 鳴く鹿の

経にけむ秋を 知る人ぞなし


をぐらやま みねたちならし なくしかの

へにけむあきを しるひとぞなし


歌の意味は

小倉山の峰で鳴いている鹿は、幾年の秋を経たのか、知る人は誰もいない

となる


この歌の冠は


をぐらやま 

みねたちならし 

なくしかの

へにけむあきを 

しるひとぞなし


「をみなへし」となる折句がある


「をみなへし」は、「緒皆上し」と読める

「緒」は、句

「皆」は、五つの句ともに

「上」は、冠の字

「し」は、為


これらの文字は、それぞれの句の冠の位置の字にある


だから、句の一つ一つを茎に見立てたら、冠は、花の位置になるから、「をみなへし」は、歌を「をみなへし」の花に準えているのだ



今は、横書きと縦書きが使い分けられているが、当時は、縦書きなので、視覚的にも、「をみなへし」が、句という茎の花として咲いている感じになる