「なだめる(宥める)」は、
怒りや不満などを和らげ静める
「なだむ(宥む)」は、
人の心を和らげる、取りなす、寛大に扱う
「なだらかなり」は、滑らか、平穏、無難
これらは
「なづ(撫づ)」からの言葉
「撫づ」は、撫でる、さする、慈しむ、可愛がるの意味
だから、
「なだめる」や「なだむ」や「なだらか」に通じる
さて、一方、
「なだ(灘)」は、地方によって、意味が異なる
航行に注意が必要な海の難所
海に出て陸地が見えなくなる処
磯や渚などの座礁しやすい難所
だから、
海の難所
「灘(なだ)」は、古くは、「かた」や「わたりぜ」と訓を振っている
「かた」は、「潟」の意味
「わたりぜ」は、「渡り瀬」の意味
だから、もともとは、浅瀬を意味していた可能性がある
「灘(なだ)」は、「なのかた」の変化で「なだ」になったのではないか
「な」は「魚」のこと、
「かた」は、「潟」でもあり、水深が浅いから、舟の航行が難しい所、
「なだ」は、もともと、魚を取る浅瀬を意味していたのだろう
だが、
浅瀬なら「潟」が用いられる
この「かた」は、「かたし(難し)」の「かた(難)」で、困難なことに通じる
だから、
「なのかた」は、魚を取るのが難しい処という意味になる
造船技術の発達と航行技術の発達で、沖まで魚を取るようになれば、沖の波が高い処が、「なのかた(魚の難)」となる
だから、
沖合を「なだ(灘)」というようになったのではないか
この様な変化があったのならば
もともとの「なだ(灘)」は、「潟」の浅瀬のなだらかな処
だから
「なだらか」が生まれたのではないか
蛇足ながら
「かた」を「肩」と書くならば、やはり、肩もなだらかな部位なのだから、相応しい名前なのかもしれない