「海」のことを「わた」という
「わたのはら」なら「海の原、大海原」
「わたつみ」なら「海神」
古事記には、「綿津見神(わたつのかみ)」や「大綿津見神(おほわたつみのかみ)」の名の神がいて、
日本書紀には、「海神(わたつみ、わたのかみ)」や「海神豊玉彦(わたつみとよたまひこ)」の名の神がある
「はらわた(腸)」は、「腹の曲」の意味で、「わた、わだ(曲)」は、曲がりくねって入り込んだ処のこと
だから
「わたつみ」の「み」は、「霊」のことだから、「わたつみ」は、海神というよりは、入江の霊
「わたり(渡り)」は、川や海を渡ること
「渡り鳥」は、季節により、日本と海外とを移動する鳥
渡り鳥の生息地は、入江近くの湿地
だから
渡り鳥は海鳥でもあることが多い
もともとの「わた」は、曲がりくねった入江の海や水のある湿地のことだが、その「わた」に住む鳥が「わたり鳥」であることから、「わたり」が、「渡り」を意味するようになったのではないか
だから
「渡りに船」が似合うのだろう
蛇足ながら、
「綿(わた)」は、中空繊維のため、吸湿性に優れているが、縮みやすく皺になりやすい
つまり
この皺は、「曲(わた)」とも表現できる