「を」は、「尾」、「緒」、「穂」、「帆」、「麻」


「尾」は、動物の尾、長く伸びたもの

「尾根」は、山の峰が長く伸びたもの

「緒」は、紐や楽器の弦のことだから、やはり長く伸びたもの

「穂」は、「ほ」だが、「を」とも読み、稲や薄の穂だから、やはり、長く伸びたもの

たぶん、「百尾(ほを)」か「秀尾(ほを)」が「穂」のもとの意味なのだろう

「帆」は、船から突き出た細長い棒に布を張ったもの

「麻」は、麻織物の繊維が取れるから、長く伸びたもの

この麻を入れておく器は、「麻笥(をけ)」で今では、「桶(おけ)」書かれるようになる



「苧環(おだまき)」は、「麻だ巻き」で、紡いだ麻糸を内側が空洞になるようにして繰り返し球状に巻いたものだから


蛇を表す「大蛇(おろち)」は、「尾ろ霊(をろち)」



「織る(おる)」は、細長い糸を組み合わせて布を作ること

「折る」は、細長い枝などを曲げて切り離すこと

どちらも、細長い「を」に造作を加えるものだ



さらに

「峰(を)」や「丘(を)」は、高い所を意味するようになる

また

「緒(を)」は、長く続くものを表すようになる

「折(をり)」は、長く続くものを折ったところだから、その時、その場合、の意味になる

「居る(をる)」は、その場に留まることの意味になる

「招く(をく)」は、「居来」だろうから、招き寄せることの意味になる